レベルアップ
アイツの死体に四人の人間が集まってきた
「おっ、こいつステージⅡのゴライアスじゃんっ!ラッキー」
金髪で身長が180はあり、銃を持っているチャラそうな奴が最初に口を開いた
「そうね、帰り際の拾い物としては良かったわね」
黒髪で160センチ位、狙撃銃と思われるものを背負っている美人が次に喋った
「おい、無駄口叩いてないで手伝え」
黒髪で角刈りのゴツイ顔をしている男が、アイツの外皮を肉厚なナイフでやすやすと剥いでいる
「お腹すいた、早く帰る」
青み掛かった黒髪のオカッパで、四人の中で一番小さいく、しかし一番大きな銃をもった子がそう言った
「それでよぉ、こいつどうする?」
チャラそうな男がオレを見ながら言った
そうだった、こいつらはオレの仲間でも何でもないのだった
殺されるのか?
「いらない、いらない、こんな金にならないやつ」
「あぁ、かさ張るだけだ」
「じゃあ放置で」
「帰る」
満場一致でアイツの外皮や爪や牙等を素早く取って四人は背中に付いている機械から煙を出し飛んで帰っていった
帰ったは良いが、オレはもう死にそうだ
血が未だに出ている
さっきみたいにドバドバとは出ていないけど、もう残りが少ないだけか
逃げて、斬られたけど助かったのに死ぬなんてな
一日も生きていないのに死ぬとか我ながら凄いな。流石弱肉強食の世界
来世では産まれた直後に襲われないようにしてほしいな
来世って何で知ってるんだろ
この謎も解けないまま死ぬのか
意識が朦朧としていくなかでそんなことを理性では考えていたが、本能は
ぐきゅる~ぐる~
相変わらず腹が空いたと訴えていた
死にそうで、腹が掻っ捌かれてるのに腹が空くなんてな。胃袋なんてその変に落ちてるかもしれないのに
でも、食べれるものなんて
周りを見渡すと嫌でも目に入るアイツの死体
肉以外は取られているが、肉だけは何故か丸々残っている
死んだ後だけど、アイツに恨みを晴らすという名目で食ってしまおう。何だか見ていると余計に腹が減ってくるし
ズリズリと体を這いずらせて近寄る
もう目が霞んできた。ほとんど見えない
ドン、とアイツの体に当たりついたことを知る
最後の晩餐だ。いただきます
カブリッ
噛むと肉と一緒に血も染みだしてきた。でもその血も含めてとても美味しい
筋肉質な肉でとても硬いがそんなことを気にしてはいられなかった
ガブリッ、ガブリッと食べていく。あ、牙が折れた
腹一杯になり、もうできることも無いし死ぬかと思っていたときにこんな声が聞こえた
『levelが14に上がりました。ステータスポイントが140手に入りました。スキルポイントが14手に入りました』
『称号『上級喰らい』を達成しました。スキルポイントが5手に入りました』
ん?
この声聞いたことがある気がするぞ?