<92> 想定外
時折り使われる言い回しに想定外という言葉がある。考えてはいたが、その通りならない状況になった場合によく使われる。予想外とも言われるが、少し学があるところを見せよう…という着飾った言い方だ。^^ この想定外という言葉を分析してみれば、以外にも想定外は想定の範囲だったことが分かってくる。具体例を示してみよう。
ここは、とある工場である。朝から明日、納品させる製品の梱包作業が続いていた。
「場長、出荷分が、どうしても明日までに間に合いませんっ!」
現場の責任者である部門長が場長に泣きを入れた。
「想定外だな…。で、どれくらい足らないんだ?」
「え~~、おおよそナニくらいです」
「ナニくらいというと、アレくらいかね?」
「はいっ! そのアレくらいですっ!」
「ははは…アレくらいならOKだよ、想定内だっ!」
「想定外だっておっしゃいませんでしたか?」
「いやなに、そんなこともあろうかと、アレくらいは見越して多めに言っといたからOKさ、ははは…」
「あっ! そうでしたかっ! なんだ、ははは…」
話は何事もなかったように終息した。
分析の結果、想定の範囲を大きく、広くしておけば、以外にも想定外にはならないのである。^^
完