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<85> 釣(つ)られる

 他人に影響を受け、思わず同調したり乗ってしまう状態をられるという。この釣られる・・という状態を分析してみよう。

 釣られる・・ということは、釣る人が当然、いるということになる。釣る意思に作為がある場合、たとえば魚を釣りに海へ・・となれば、釣る人は釣果ちょうかを楽しみにしたり期待して、作為で釣る訳だ。ところが作為がないと、これも一例いちれいを示せば、電車で座席をお年寄りにゆずった人を見て、自分の前のお年寄りに思わず席を譲るという釣られる行為となる。この場合は仕方なく…といった釣られ方で、不作為なのである。今日は、そんな釣られて読みたくなるようなお話だ。^^

 高級住宅街に住む、仲のいい二人の主婦の会話である。

「栗山の奥さまったら、とうとう、あのお洋服、お買いになったそうよっ!!」

「あ~~らっ!! そんなに早くっ!?」

「ええ! なにせ、有名ブランドの最新作でござぁ~ましょ! 一番に買って、鼻高々(はなたかだか)じゃござぁ~ませんことっ!?」

「もぉ~~う!! くやしゅうござぁ~ますわね、奥さま!」

「ええ! そう、ざまぁ~すっ! 次は負けられませんわよ、奥さまっ!」

「ええ、そうざまぁ~すっ! 必ずお先にっ!」

「ええ、ええ! そのためにも、お店の情報は日々、交代で…」

「分かりましたわっ!」

 次の日から二人の主婦は交代で店に入りびたることになった。高級住宅街の主婦達は、有名ブランドの最新作をえさにした店の経営者に、ものの見事に釣られることになったのである。

 分析の結果、釣られる・・という場合は、必ず心引かれる[何ものか]があるようだ。よく出来たお方ともなれば、わざと釣られた振りをして逆手さかてにお取りになる。^^


                  完

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