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<81> 面(つら)

 つらとは物や人の外見がいけんす。もちろん、内見ないけんも含む訳だが、内見は外からは見えないから、外見を指す場合が多い。この面という言葉をひままかせて分析してみることにしよう。他にすることがないのっ! と怒られる方もお有りだろうが、間違ったことは言っていないもりだから、そこは我慢してお読みいただきたい。^^

 面には内面うちづら外面そとづらがある。美味おいしそうな食べものでも中がくさっている、外面がいい美人やイケメンでも内面が悪い・・などと、面は一致しない変化を見せる。超ブスな女性が化粧品を塗りたくって美人に見せる・・というのは、また意味合いが違うと思うのだが…。^^

 とある植物園である。連休ということもあり、朝から多くの家族連れでにぎわっている。バス旅行の案内ガイドが、知ったかぶりをして得意げに話す。

「この市営植物園は◎○△×年に開設され、今や多くの人々に親しまれるようになっておりますっ!」

「ガイドさん! あの木、何て言うのっ!?」

 突然、最前列にいた一人の子供が何気ない面構えで一本の木を指さしながら、ガイドにたずねた。ガイドはその指さす方向に目を向けたが、生憎あいにく、その名を知らなかった。戸惑とまどったものの、ここは引けないわっ! とばかりにガイドはその動揺を億尾おくびにも出さず、外面では笑顔で聞いていない素振りをし、内面では顔面蒼白がんめんそうはくになってあせった。

「この木~~!!」

 子供は意固地いこじになり、声を大きくした。ガイドの内面は失神寸前まで緊張した。そのときである。子供の父親が助け舟を出した。

「あれはガジュマルだ。沖縄ではキジムナーと言ってな、火の精霊が宿るとされてるんだ…」

「そうなんだ…」

 子供は納得して押し黙った。ガイドも、そうなんだ…と思いながら内面の汗をぬぐった。

「分かった? ぼうや?」

 さらに、外面でガイドは、さも、知っているかのような振りをして子供に念押しした。

「? うんっ!」

 子供は外面では素直に返したが、この人、知らなかったんだ…と、内面で思った。

 分析の結果、面はこのように使い分けられる。^^


                  完

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