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<8> 加減(かげん)

 程度を越せば、物事はすべて駄目になる。となれば、ほどほど・・が求められる訳だが、それが加減と呼ばれる性質のものである。分析すれば、いい加減にしろっ! と怒られる場合は過ぎた状態である。逆に、風呂で、ぬるいなっ! と感じる場合は足りない状態、いい湯加減だっ! の場合は加減がピッタリ! と合った頃合いの状態ということに他ならない。需要と供給、労使関係、与野党の関係、国と国民の関係、企業と労働者etc.すべてにおいて、この加減が重要となってくる。片方にかたよれば、片方はいいようにも思えるが、結局は悪くなった片方のせいで双方とも駄目になる命運を辿たどるからこわい。その意味でも、分析を重ねて加減を探ることが大事だ! と言わざるを得ない。

 とある理髪店で一人の客が散髪中である。

「お客さんは随分、毛深けぶかいですねぇ~」

 顎鬚あごひげをカミソリで当たりながら、店主が客にたずねた。

「そうかい? その分を頭に回したいよっ!」

 客の頭は顎鬚とは反比例するかのように、ほとんどなかった。

「ああ…ですねぇ~。ほどよい加減がいいんでしょうが…」

「コレばっかりは、なっ! ははは…」

 客が思わず笑った瞬間、カミソリで顎が少し切れ、血がにじんだ。店主はあわててタオルで顎をぬぐった。

「どうも、すいません!」

「いや、俺が笑ったからだよ親父さん。笑うのも加減しないとなっ! は、はは…」

 客は顎を動かさず、小さく笑った。

 このように、加減はすべてに求められるのである。^^


                  完

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