<77> 人と人
人と人・・この繋がりが社会生活を始める第一歩となる。人と人は有史以来、言葉を交わすことで意思の疎通を重ね、その輪を広げてきた。人と人の繋がりを分析すれば、「やあ、おはよう!」などと声をかけ合う軽いものから、「こ度襲名をば致しましてござりまするぅ~~。幾久しく、お引き立て賜りまするよう、隅から隅まで、ずずずい~~~ぃとぉ~! {チョンチョン!!}[拍子木の音] 御願い奉りまするぅ~~! {チョンチョンチョンチョンチョンチョン…!!}[拍子木の音]」などと客に挨拶する歌舞伎の口上のような重いものまで、多岐に及ぶことが分かる。最も軽い人と人の繋がりは、相手が見えない簡便な電話である。孰れ(いず)の場合でも、人と人が繋がる出発点であることは疑う余地がない。
とある町にあるテニスの練習場である。数人の部員が懸命に早朝練習をしている。
「やあ、おはよう!!」
「あっ、監督っ! おはようございますっ!!」
口々(くちぐち)に部員達が返す。ほぼ同じ言葉の返しだったが、一人だけ、妙な仕草で返す部員がいた。
「ははぁ~~っ!!」
その場に土下座してひれ伏す姿は、現代の人と人というより、目下の武士が時代劇でよく見せる殿様と家臣の会話に似通っていた。
「ははははは…お前は相変わらずだなっ!」
監督は笑ってその部員に返した。
「ははぁ~~っ!!」
部員は、ふたたび土下座した。
聞くところによれば、この挨拶をしないと、本来の力を出せないそうだ。縁起を担ぐ、いわばジンクスのようなものらしい。
分析の結果、人と人の繋がりにも、いろいろある・・という訳だ。^^
完




