<65> 予備
予備については、いつだったか、別の短編集にも書いたような記憶があるが定かではなく、しかも分析した訳でもなかったので、もう一度、この短編集で分析することにした。新年早々、ご苦労なこった! と思われる方は、年明けの美酒に酔い痴れていてもらっても、いっこう構わない。^^
予備があるに越したことはない。この予備という存在を分析すれば、面白いことが分かってくる。予備は飽くまでも予め備えておく存在であって、すぐに使われることはない。これは単なる物に限らない。人の場合でもあり得るのだ。一例として、スポーツのチームで考えるなら、いわば補欠選手の存在に当たる。補欠はいつ出られるか分からず、ジィ~~っと出場の機会を待つしかないのだが、それが予備に相当する訳だ。予備があれば、いざっ! というとき、役に立つ。取り替えてすぐに使えるからだ。これには何かと重宝する、安心するといったメリットがある。デメリットは予備を準備しておいたのはいいが、とうとう使われずじまいになったときだ。誇りを被って使われない存在は、ぅぅぅ…と涙を誘うだろう。^^
とある予備フェチの男が、まだ十分に量がある消耗品を予備で買い、満足げに帰宅した。
「あらっ? 先週も、あなた買ってきたわよっ!」
目敏い妻が、ひと言釘を刺した。
「んっ? そうだったか?」
指された夫は、『こいつ、諄いなっ!』と思ったが、小遣いを減らされては一大事…と思え、口にせず思うに留めた。
「まっ! いいけどね。あなたの小遣いで買うんだから…」
思っていたことを言われた夫は、一瞬、ギクッ! とした。
予備を分析すれば、予備など買わなかったらよかった…と思うこともあるから、よく考える必要がある。^^
完




