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<5> 機嫌(きげん)

 人の機嫌きげんを分析するのも面白い。むろん、多かれ少なかれ、機嫌が悪くなりやすい気短きみじかな人と、なりにくい気長きながな人の差はあるが、周囲の環境や状況によって左右されるのも事実である。この事実は、気短とか気長は関係なく、人の心を良くも悪くもする傾向があるようだ。たとえば、好きな人に逢いに出かけたときの心境はウキウキしているだろうから、悪かろうはずがない。逆に、嫌いな授業を受ける前の心境は? と問えば、言わずもがなで、生徒諸君には、よくお分かりのはずである。^^

 とある料理専門店である。店に入って注文を終えた二人の男が機嫌よく語り合っている。

「いや、ここの天丼てんどん美味うまいんだよっ! ははは…」

「それは俺も認めるっ! ははは…」

「それにしてもおそかねぇ~か?」

「だなっ! もう、かれこれ20分だぜっ…」

「今の時間帯、他に客もいねぇ~しなぁ?」

「そうだな? 態々(わざわざ)、この時間帯を空けて来たというのによぉ~」

「親父ぃ~!!」

 片方の男がついにしびれを切らせ、奥にいる店主へ声をかけた。

「へいっ!! なにかっ!?」

「なにかっ? じゃねぇ~よっ! 俺達の天丼はっ?」

「あっ! 注文なすったんでしたかっ? すっかり忘れてました、ははは…」

「ははは…じゃねえよっ!」

「すみませんねぇ~お客さん。これから休憩しやすんで、1時間後になりますが…。それでよろしいですかねっ?」

 よい訳がなく、二人の男の機嫌はにわかに悪くなった。

 まあ、機嫌とは、分析すればその程度で変わるもののようだ。^^


                  完

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