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<45> 暑い

 冬に近づけば、寒い・・となるが、当然、夏に近づけば、暑い・・となる。これが四季の移ろいのいいところであり、悪いところでもある。[常夏とこなつの地]と聞けば、快適なハワイのオアフ島とかフィージー諸島のいい気候を連想するが、正確には[常に過ごしやすい快適な気候の地]なのだ。暑いっ暑いっ!! とひたいの汗をき、暑いを強調する人々がえる我が国の猛暑とは雲泥うんでいの差なのである。

 暑い・・という言葉を分析すれば、その感じ方にも人によって温度差があることが分かる。この場合の温度差は程度の違いを意味する言葉であり、「ニホンゴ ハ ムズカシイデスッ!」と外国の方々が困惑こんわくされる気持も分かるような気がする。^^

 とある喫茶店である。クリスマスの夕方、クリボッチ[現代用語で、一人でさびしくクリスマスを過ごす人]がクリボッチを楽しんでいる。クリボッチの年数が続けば、うらやましくなくなり、それはそれで楽しくなる・・というのが分析結果である。^^ 

 店内は暖房がいていないのか、冷えるほど低い。

「寒いなぁ~! ちょっと暖房、強くしてもらえませんかっ!!」

 店内にいる別の客が、思い余って、ひと声、店員にかけた。クリボッチにすれば、いい頃合いの温度だったから、少し不満がつのったが、彼は、言うでなく思うにとどめた。

 しばらくすると、店内は暑くなってきた。暑い…と益々(ますます)、クリボッチの不満は募っていった。そのときだった。

「お待ちどうさまっ!!」

 顔馴染かおなじみの女店員が、クリスマス限定サービスのケーキを運んで現れた。クリボッチは毎年のことでそのサービスを分かっていたから、ニッコリ微笑ほほえみ、軽く会釈えしゃくした。そして、

「もう一杯、いただけますかっ!」

 クリボッチはコーヒーを、おかわりした。

「はい…」

 女店員はトレイへからになったコーヒーカップを乗せ、微笑みながら去った。クリボッチは、いつの間にか、暖房が強まった暑さの不満を、女店員の微笑で忘れていた。

 分析の結果、暑い・・と思う気分は、小さないいこと・・があれば忘れ去られることがうかがえる。^^


                  完

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