<41> 古い種(たね)
女性はともかくとして、男性の場合、老人でも精力さえあれば子には恵まれる。例えが下世話で申し訳ないが、これも偏に分析の手法であるから、お許しいただきたい。^^
精子は、年齢にはまったく関係なく若い。そこへいくと、植物の古い種、特に野菜の種ともなると、これは、もういけない! 一年置けば、待てど暮らせど芽が出ない・・という悲しい結果を迎える場合があるのだ。
古い種を分析すれば、動植物の関係なく、種属によるその強靭さの違いが見えてくるのである。
とある家庭菜園で男が野菜の種を蒔いている。
「どうかなぁ? 去年の古い種…。まあ、いいかっ! 出なきゃ、また買うさ…」
男は独りごちて、野菜の種を蒔き終えた。男の妻はアメリカ・リンカーン大統領の母、ナンシー夫人のような女性で、男が蒔く姿を遠目に眺めて呟いた。
「… 間違いは始まりの元・・って言うから…」
妻は男の間違いを指摘せず、するに任せた。
そして2週間ばかりが瞬く間に流れた。
「妙だなあ~?」
「なにが?」
「いや、芽が出ないのさ…」
「そら、そうでしょ! 古い種だもの…」
「ああ、やはり…」
「お隣のお爺さん、80で子供作ったけど…」
「はいはいっ! 頑張りますよっ! 頑張りゃ、いいんでしょ!!」
男は妻に焚きつけられた気分がした。
収穫が遅れたせいで、その年の野菜は小さかったが、分析の結果、古い種は新しい種に勝る・・ということもあるようだ。^^
完




