表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/100

<40> もう、いい…

 人があきらめたり諦めかけたときにく言葉に、もう、いい…という言い回しがある。この、もう、いい…という言い回しを分析すれば、以外と、もう、よくないことが見え隠れする。^^ そう言えば、相手はより同情して、やってくれるだろう…とかなんとか考える巧妙な手口てぐちだ。その気にさせる言い回し・・とも言えるだろう。

 とある小会社が手形の不渡りを出し、倒産の危機を迎えていた。

「ぅぅぅ…。しゃ、社長~っ!!」

「もう、いい…。君らはよくやってくれたっ! 俺が悪いんだっ! あんなくず会社の口車くちぐるまに乗ったのがいけなかった、すまないっ! だがな、もう、いいんだっ!! もう、いい…」

 もう、いい…を繰り返した社長だったが、どうしてどうして、決して諦めてはいなかった。内心は煮えくり返る思いで、くそっ! このままませてなるものかっ!! だった。この復讐心ふくしゅうしんは意外な行動へと社長を走らせることになった。自らの土地、建物を抵当ていとうに銀行から融資ゆうしを受け、手形決済の資金に当てたのである。

 一ヶ月後、会社は社員の総力をあげての活躍により危機を脱し、経営は順調な回復を見せつつあった。だがどういう訳か、社長は、ただ一人、浮かぬ顔だった。

「…如何いかがされました、社長?」

 浮かぬ顔の社長に秘書課長がたずねた。

「んっ? いや、べつに…。もう、いい…もう、いい…」

 社長は自分に言い聞かせるように、もう、いい…を繰り返した。社長の不甲斐ふがいなさに見切りをつけた妻が家を出て、行く方知れずになったのである。しかし、社長は決して諦めてはいなかった。その証拠しょうこに、ひそかに探偵社に命じ、未練がましく妻の行方ゆくえさぐらせていたのである。

 分析の結果、もう、いい…は、ちっともよかないのである。^^


                  完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ