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<38> 隙(すき)

 世は無常で、すきを見せれば、その隙をいて魔が人に襲いかかる。人はもろいから、その風に、ついつい影響されがちだ。一時期、そんな時代劇も流行はやったが、なろうとままよっ! 好きにしてくれっ! と思われる方は、好きな酒でも、カッらって、ご機嫌な気分で眠って下さればいい。^^ 分析すれば、ともかく、世渡りは手抜かりなく用心深く生きることが肝要かんようとなる。用心していても安全でなくなるのだから、この世はこわ~~いっ!^^

 剣道のとある道場である。早朝から、剣道塾に入塾を許された塾生達が竹刀しないを手に、稽古けいこに余念がない。熱気と掛け声が入り乱れる中、道場主と師範代の二人が話をしている。

「あの二人、隙だらけですなっ、先生!」

「ああ、新しく入ったばかりだからな…」

「いや、それにしても、隙だらけですよ。あんな隙だらけなの、私、見たことありませんっ!」

「まあ、そういうな、師範代。そのうち上達するさっ!」

「そうでしょうか?」

「ああ。だいいち、私らの生活はこの塾生達にかかってるんだからなっ!

「ええ、まあ…」

 そのとき、道場主の妻が盆に菓子鉢に入った茶菓子と茶入りの湯呑みを持って現れた。

「あなた、ご休憩をっ!」

「んっ! ああ、有難う…」

 道場主は美味そうな菓子だ…とばかり、つい手を出してしまった。そこに隙が生まれた。

「あなた、袴がほころびてますわよっ!」

「んっ? おお、そうだったか…。あとでつくろいでくれっ!」

「はい…」

 師範代は、ニタリ! と一瞬、顔をゆるめた。先生にも隙はあるんだ…と思えたからだ。

 分析の結果、いくら隙がない人でも、つまらない隙はかならず生じるのである。^^


                  完

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