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<34> 苦楽(くらく)

 我が国のとある超有名な宗教では、輪廻りんねする六道のうち、人の世は争いが絶えず、苦楽くらくに満ちあふれた世界だとされる。そうだなぁ~…と思えることは、確かに多々ある。しかし、楽を勝ち得た者達が人の道に合格なのか? と問えば、必ずしもそうではないと分かる。人としては負け組だとしても、人として十分、合格だ・・という人はいるのだ。逆に勝ち組でも失格や不合格の人々も当然ながら存在する。要は、人の世は試行錯誤しこうさくごの連続で、自分を高める修行の世界なのだ・・と超有名な宗教はくのである。まあ、私は疲れるから、余り深く考えたくないのだが…。^^ 筆を進める立場上、仕方なく分析をしなければならないのは骨が折れる。えっ?! そんなことより夕飯? …夕飯は昨日きのうの残り物のさけを焼けばこと足りる。^^

 苦楽で、楽な方の地位、名誉、出世、富裕、縁などの諸事は、まったく人の完成された道には関係がなく不合格の場合も多々、生じる・・との分析が成立する。具体例では、出世して疑獄事件でアウトな人は、何のために出世したか・・を忘れた不合格な人となる。逆に苦の方は、生きる過程で落ち葉のように消えていく不幸せな人も、頑張ってついえたなら十分に合格と審判[ジャッジ]される訳だ。そう気づけば[正覚しょうがくと仏教では説くそうだ。生姜しょうがではない^^]ということで、苦楽はどちらも小さい方が…という結論に至るのである。

 お盆で忙しい寺から、アルバイトを頼まれた学生が、にわか僧に身をやつし、檀家だんか回りをしている。

「…はて? お見かけしない方ですなっ?」

「いや、なに…。ご住職が都合で来られないということでして、わたしが…」

 学生は口にした瞬間、しまった! と思った。私ではなく、わたくしと言うべきだった…と思った訳である。[し]一字のことながら、[わたし]に比べ、[わたくし]だと重みもあり、僧の風格があるのだ。すでにこのとき、学生には苦が付きまとっていた。まさに、若気わかげいたり・・というたとえ通り、アルバイト料のお布施ふせで楽をしようとした学生の気分は気疲れの苦へと転じた。

 このように、苦が楽に、楽が苦に・・なるのが苦楽の分析結果となる。^^


                  完

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