<30> 疲れる
人の疲れる原因を探れば、それは心身の二面で起こると分析できる。気疲れ・・と呼ばれる心理面の疲れは、表立った身体の異常ではないから、傍目には分かりにくい。恋の病と呼ばれる状態に至っては、本人がその気配を見せない限り、他人にその気疲れは、ほぼ100%の確率で分からない。^^ 一方、身体の疲れも同様に、他人には分かり辛いが、疲れが溜まると、次第に表面化して、「おいっ! 顔色が悪いぞっ! 大丈夫かっ!」などと声をかけられるようになるから、まだ気づかれる機会もある。しかし、近年の過労死という過酷な労働災害は、他人を気づかせはするが、それ以上、どうにも出来ない社会の歪みを感じさせずにはいられず、腹立たしい! …と、私が腹を立てても、どうにもならないのだが…。^^
ある会社の事務室である。二人の男がロッカー室の前で背広上の作業服を脱ぎながら、語り合っている。
「あいつ、タフだなっ! これで、三日続けて残業だぜっ!」
「俺達と違って、課長代理補佐候補だからなっ!」
「飽くまで、課長代理候補じゃぁ~ない!」
「当然、課長候補でもないっ!」
「ははは…三日続きゃ、疲れるだろうがなっ!」
「いや、もう十分に疲れてるさっ! ははは…」
「まあ、俺達は疲れることなく美味しく食べ、美味しく飲んでと…」
「意識せずになっ!」
出世を意識しない二人は大笑いしながら退社した。
分析の結果、何事も意識すれば疲れるようだ。^^
完




