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<28> 遠き道

 ━ 人生は遠き道を行くがごとし、あせるべからず ━ と家康公が口にされたかどうかは定かではないが、そんな格言めいた古い言い伝えがある。他にも、━ 急がば回れ ━ とかいう言い方もあるが、いずれにしろ、先の道が長ければ、余り急がず、自分のペースであわてずに進もう・・という意味が込められている訳だ。今の時代、遠い道はバイク、自動車、新幹線、さらにもっと早いリニア・モーターカー、さらにさらに早い飛行機が重んじられているが、果たして遠き道へ着くために本当に早いのか? を分析してみるのも面白い。^^ 馬鹿野郎! 早いに決まってるじゃないかっ!! と問答無用にお考えの方は、美味おいしい河豚鍋ふぐなべ賞味しょうみしていただいていればいい。^^ ただし、河豚に当たって河豚[ふぐ、と、すぐ、をかけたダジャレ^^]に死んでも、責任は一切、持てないから、そのつもりで…。^^

 とある一品料理店である。二人の男がカウンター席で熱燗あつかん徳利とっくりを傾けながらさかな小鉢こばちつついている。

「いやぁ~、ここの料理はいつ来ても美味うまいよなっ!」

「そうですかぁ~?」

「ああ、美味いっ! 親父さん、なにか秘伝ひでんでもあるのかいっ?」

「ははは…秘伝なんてもんはありませんよ、お客さん。まあ、あるとすれば、こだわってるってことですかね…」

 カウンター前で手を動かす店主が一瞬、その手を止め、たずねた男を見て言う。

「と、言うと?」

「ええ、まあねぇ~。他の店と違い、材料の仕込みに3倍はかけますから…」

「3倍っ!!」「3倍っ!!」

 二人は異口同音いくどうおんに口をそろえて驚いた。

「ええ、まあ…」

 店主は少し照れて小声でぼかした。

「この味に至るまでが遠き道なんだなぁ~…」

「まあ…」

 店主はふたたび照れて暈したが、照れ過ぎて蛇口を閉め忘れた。

 遠き道を分析すれば、慌てず急がないのが一番だが、からといって、着いたあとも油断してはいけないということになるだろう。着いてかぶとの尾をめよっ! なのである。^^


                  完

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