<19> 勝つということ
勝つということは、⇔で、反対の負けるということも同時に起きる・・と分析が出来る。例えば、喧嘩や争いごと、さらに拡大して紛争、さらに拡大すれば戦争へと過激になる。だが、勝つということが本当に勝つということなのか? といえば、必ずしもそうではない・・と、分析が出来るのだ。負けるということは負けに違いないが、勝つということも負けなのだ・・といえるのである。争うことが修羅だと定義をすれば、勝つということも負けるということも修羅な状態なのだから、負けだ・・と分析結果はなる。
とある二人の男が語り合っている。
「彼は相変わらず?」
「そう、相変わらずらしいな」
「そうか、勝ってるんだな…」
「そうかなあ?」
「ああ、勝ってるから相変わらずなんだろ?」
「相変わらずだから、負けなんじゃないか?」
「と、いうと?」
「勝つことから抜けられないんだから負けだろ?」
「… ああ、そうなるのか」
「ああ、そうなるんだよ、きっと」
「そうだな…。他のことが出来ゃ~しねぇ~もんな」
「そうだよ。俺達みたいに早く撤収した方が勝ちなんだよ」
「だなっ! いろいろ、してるもんなっ!」
「ああ、いろいろなっ!」
二人はお互いに納得したのか、大笑いした。
勝つということはこの程度のことで、勝とうという気分が、すでに自分に負けている・・と、分析結果は出るのである。^^
完