<15> 人の価値
世の中の人は様々(さまざま)で、変化に満ちていて面白い。分析すれば、人は生まれた瞬間から、各々(おのおの)が一つだけ他に抜きん出た能力を授かって生まれるようだ。ただ、それが当の本人には分かりにくく、厄介なのである。死ぬ間際、なんだ、そうだったのかっ! と気づいても、時すでに遅しで、チィ~~~ン! とお悔やみ鉦を叩かれるのが落ちだ。もちろん、生きている過程[プロセス]で自分の価値を知る人もいる。そんな人は幸せ者だが、大部分の人は宿命や運命、環境に押し流され、知らずしてこの世からあの世へ旅立つことになる。^^
とあるテレビ局で収録されている数十年前のクイズ番組のスタジオである。司会者が優勝した超エリート大学の選抜選手3人に語りかけている。
「凄いですねっ! 全問、正解での優勝ですよっ!!」
「有難うございますっ! 運がよかっただけです…」
「あなた方のような人が、この国を背負っていかれるんでしょうね?」
優勝した選手達は、こっ恥ずかしいのか、ニヤけて暈した。
そして、数十年が経った現代である。予想どおり3人の選手は国を動かす根幹の地位に昇りつめていた。だが残念なことに、国は借金大国になり果てていたのである。^^
分析の結果、頭がいいからといって必ずしも価値のある人とはいえず、応用能力とは比例し得ない・・という結論に到達する。真の人の価値は、今より以上にする能力のありや? なしや? なのである。むろん、大食いする能力とは関係がない。^^
完