<14> 一線(いっせん)
一線を越える・・という言い回しがある。この言い方を分析すれば、いろいろな意味で使われていることが分かる。男女間の場合、一般的には、ああいうことやこういうことを連想させるが、ここでは敢えて詳細は書かず、読者の連想にお任せしたい。ニヤつく方は連想が豊かな方だと思われる。^^
一線が国と国の国境の話ともなれば、越えれば紛争や戦争になりかねない重大事となる。球技の場合、例えばテニスとかバレーボ-ルだと、チャレンジ判定となり、ビデオ映像がテレビ画面に映し出され、「オン・ラインっ!! 入ってますっ!!」とかなんとか、アナウンサーが興奮ぎみに喚くことになる。
とある選挙事務所で数人の参謀が話し合っている。
「どうなんだい? 当選ラインはっ!」
「いや、大丈夫だとは思うが、どうも横一線、って感じだな、今んとこっ!」
「ホニャララ地区は梃入れせんとなっ!」
「だなっ! かなり食われてるっ!」
「こっちも、放っとけんから明日から食いまくるかっ!」
「おおっ! 食おうぜっ!」「分かった! 食おうっ!」
口々に同調する声が飛んだ。そのときである。
「へいっ! お待ちっ!!」
中華屋の店員が岡持ち片手に威勢のいい大声で入ってきた。出前が届いたのだ。
「食おうぜっ!!」
店員が事務所から去ると、全員、腹が空いていたのか、無言でガッついて食べ始めた。
この場合の食うは票の食うとは一線を画し、美味しい。^^
完