吐きそうな部屋
気持ち悪い文字が書かれた部屋から脱出した。
どうやって脱出したか?
初めの頃は、隠し扉があったり、どこかに仕掛けがあるんじゃないかと探った、でも何もなかった。
地道に硬い壁に力を入れ、5年後にやっと脱出できたというわけだ。
これで帰れる、これで元の世界に戻れる、と思ったに…。
部屋を出ると、一回りでかくなった部屋。
しかも、今度は壁にびっしりと目が描かれてある部屋。
気持ち悪い。
気持ち悪いというより、吐きそうだ。
吐きそう。
「は、吐く…。」
その言葉を放つとすぐに、汚物が飛び出した。
…あれ?
少し冷静になってから気が付いた。
さっきの部屋を出るのに5年かかった、その間の食事は?
いや、食事だけじゃない、生活という生活もせず、体がボロボロになりながらやっと脱出した。
5年間何も食べてないのに生きてるのはおかしい、し…。
今吐いたものは、胃液だけじゃない。
ここから出なきゃ
また同じことを思い、また扉の類を探し、また仕掛けがないか探す
……あった。
あった!扉あった!!
「やった…」
そんなに独り言を言うタイプじゃないのに、声が漏れてしまった。
あ、待てよ。
鍵がかかってるかもしれない
まあいいや、とりあえず開けよう
………開かない。
これは、また自力で脱出しなきゃいけない?
「…あ。」
ふと下を見ると、鍵があった
「いやいやいや!そんなわけない、絶対違う鍵だっ…て…………開いたわ。」
開いた。
確かにカチャってなったし、この扉の鍵だ
こんな部屋出て、早く帰ろう。
こんどは部屋がないことを祈り、扉を開ける。
「……え」
落ちてる、今、自分は、落下している
「えっ!?……えっ、死ぬって!!死ぬ!!」
ただ、床に着かない。