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2

まずは村の民家を一軒だけ調べる事にした。

扉を叩く。物音がしない。

再び叩く。人の声が聞こえない。

扉に手を掛け、力を込める。簡単に開けた。

家中を覗いてみる。人の気配が無い。


周りに迷惑を掛けると思いつづ、大声を出してみた。

返事は無い。

そっと踏み入れた。足音が反響する。

あまりの静かさに背中に寒気が走る。

家を捜索すると、食器が散乱しているのを見つけた。


トングは思わず武器ーー木棒スタッフーーを両手で持ち、いつでも戦ってもいいように姿勢を構えた。

バリルも大きなバックに手を突っ込んで、警戒する。

松明が燃え尽きた。新しいものと替えた。


納得が往くまで調べたが、結局、この一軒は何も無かった。


念の為、村の民家全てを見回ることになった。


途中で魔物の襲撃を受けたと思われる酷い被害を確認でき、破壊された民家が何軒もある。

それらの現場に首を傾げながらも、捜索を続けた。


結局、どの家も誰も住んでいなかった。

2人は目を合わせた。


どうしよう?


不安が高まった頃に、とある所から何かの音が聞こえた。

藁などを貯まっておく物置場だ。





音の正体はゴブリンだった。松明があるから良く見える。今は寝ているようだ。時々寝声が聞こえる。2体だ。一体は弓を、もう一体は純器を持っている。


物置場は広い。


誰かが居る。顔が見えないが、体が小さい。子供だ。奥の隅で体育座りでじっとしている。

ここまで確認してから、トングは深呼吸した。


「俺が仕掛ける。バリル。支援を頼む」


「分かった」


バリルは黄色の縦長紙を取り出し、トングの服に貼る。

それから呪文を唱える。その内容はほぼ脅迫に近い。


「毎回聞いても背中に寒気が走る呪文だなオイ」


トングが呟くと同時に黄色の縦長紙は服にすうっと沈んでいく。やがて、服と同化したのを見届けて、


「準備完了。頑張って。また私の頭を撫でてたいならね」


「ははは、はいっっ!! 頑張ります!」


気のせいか、バリルの言葉に殺意が感じる。当本人は無自覚らしいが。

怖いよ、バリル。


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