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クルーウェル・ワーカーズ  作者: 七篠敏明
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[接近] : 斥候の魔術通信

◆◆◆◆◆

雪はまだ降り止まない。闇に覆われた路地で、排除対象の到着を待ち続ける。肝心な時に指の一本一本まで正確に動くよう、悴んだ手を動かし続けていた。


今夜の排除対象は特別だ。あの日両親を惨殺した二人なのだから。その二人は身を隠すように逃げ続けていたので、随分と探し出すのに苦労した。・・・どんな気分、なのだろうか・・・十年近くも逃亡生活を送った者たちの生活は。


不意に、懐中の羊皮紙が熱を帯び始めた。懐を覗き込むと、ひとりでに羊皮紙が光り、文字が書き込まれていく。


ーゲルヴァは川を渡れり。420頭ー

(注1)


420秒後に排除対象の乗った馬車が到着する。


クレアが魔法で羊皮紙にそうメッセージを送ったのだ。正確な情報だろう。彼女が俺に不確かな情報を寄越したことはない。


クレアに出会ったのは、ジェンキンスの修行が始まって数年が経った後のことだった。


(注1): ゲルヴァとはヘラジカに似た偶蹄目の哺乳類。狩猟の獲物として一般的で、骨は加工品として重宝されている。ここでは「暗殺対象」の暗号コードとして用いられているが、「外敵」を表す「GEVF」に音が似ているためと思われる。というのもこの2つの言葉は語源が同じで、ゲルヴァに乗った東の蛮族を表していたことに由来する。

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