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クルーウェル・ワーカーズ  作者: 七篠敏明
15/16

[別離] : 老人の死

◇◇◇◇◇

ジェンキンスは部屋の奥で静かに息を引き取っていた。まるでルーク達を安心させようとしているような、安らかな優しい顔をしていた。

ジェンキンスの遺体は隠れ家の近く、見晴らしの良い丘の上に埋葬した。


不思議と涙は出なかった。ルークは人の死を悲しむには手を汚しすぎたのかもしれない。簡単な墓を作り、ロックローズを捧げた。母が好きだった花だ。クレアはその横で目を赤く腫らしている。昨夜は一晩中、傷の手当をしている間も泣きじゃくっていた。


「・・・葬儀屋が埋葬されてるんじゃ、ザマねぇな。」


ジェンキンスの墓の前で膝をつき、十字を切って黙祷する。


・・・ジェンキンス、今までありがとう。

ゆっくり休んでくれ・・・。


「ねえ・・・ルーク。」

クレアが話しかける。

「こんなこと聞いて、怒らないでほしいんだけどさ。」

クレアが俺の横に座る。綺麗な髪がさらさらと風になびき、形の良い額が見え隠れしていた。

「これから・・・どうするの・・・?」

「これから?」

「やっぱり仇討ち、続けるの・・・?」

「ああ。」

ルークは即答する。

「今までと何も変わらないさ・・・。今度こそ・・・一人ぼっちになっちまったけどな・・・。」

クレアは何か言いかけたが、悲しい顔をして俯いた。

「・・・そんなことしても死んだ人は喜ばない・・・とかさ、言ったり・・・するじゃない・・・。お父さんもお母さんも・・・アルバートさんも亡くなって・・・。もうルークはルークの人生を生きてもいいんじゃないの・・・?」

ルークは暫く考えてから答えた。

「違うんだ。人間が死んだら、もうそこまでなんだ。死人が喜ぶとか悲しむとか、そんなの戯言だ。・・・俺が、俺のために殺すんだ。そうしないと・・・もう一歩も、前に進めないんだよ。」

それを聞いて、クレアはすっと立ち上がる。

「そっか。」

何歩か歩いてから、勢いよく振り返る。

「私、必ず犯人探し出すから。私に見つけられないものなんて、無いんだから。」

クレアは無理やり笑顔を作ってそう言い残した。


・・・彼女が本当に犯人を見つけ出したときは、本人が一番驚いていたのだが。

次回、最終話

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