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クルーウェル・ワーカーズ  作者: 七篠敏明
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[導入] : 潜伏

◆◆◆◆◆

 新雪祭もまだだというのに、雪は深々と降り続け、馬車用の舗装がされた路地に少しずつ白い層ができつつある。俺はフード付きの黒い外套を身に纏い、暗闇に身を潜めていた。懐中には「スプリッター」と呼ばれる暗殺用の短剣(注1)を忍ばせている。排除対象が10ヤードの間合いに入れば、相手がこちらの存在を認識するより早く、切先を喉元に当てることができるだろう。暗殺者が初矢を外してはいけないのだ。


排除対象は2名、内1名は屋内に、もう1名は外出しているようだ。もう少し・・・もう少しで復讐が果たされる。己が身を焼くような怒りから解放されるのだ。心拍が高まる。白い呼気で存在を気取られないよう、俺は心を静めた。


10年近く前の話だ。あの日も今日と同じように寒く、静かで暗い、雪の降る夜だった。執事のジェンキンスと、暖かい暖炉の前で両親の帰りを心待ちにしていた。

(注1): スプリッターとは、細身の直刃と反った柄を持った刃渡5〜10インチ程度のナイフの通称。古代アマネスク王朝時代から軍人などに愛用されていたと伝わる。ヘッドスプリッターと呼ばれていたが、近代ではスプリッターと略されるのが一般的。

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