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Regnant外伝 ブラック・アウト・ジャスティス

作者: 衣乃 城太

「これは殲滅作戦である」

 何十回と聴いた言葉だ。殲滅作戦専用に作られたこの部隊が、殲滅作戦以外に参加するものか。

 メンバーが何人いるのか、常日頃何をしているのか、何故こんなことをしているのか、それはわからない。ただ一つ言えることは、今から行うのは、

 たった二人の、大虐殺。

「そぉーれっ!」

 キラリと一筋の光が走ると、逃げ惑う人々の頭と胴が離れていく。

 彼が両手に握っているのは、二対の日本刀。それを縦横無尽に振り回し、人々の首を切っていった。

 首を一撃で落とすのは「それが一番痛くないから」という彼なりの配慮らしい。

 どこへ逃げても、彼の凶刃は届いていく

よしんば逃げられたとしても、既に囲いは終わっていた。

 彼らは逃げられない。縦横無尽とはいっても、彼はちゃんと逃げさせる道を決めていた。罠に魚を誘い込むように、逃げた先には、また別の絶望が待っていた。

 白髪の老人が、モノクルを着けて立っていた。

「アーメン」

 老人が呟いた

 瞬間、人々の体から血が吹き出した。糸が切られたパペットのように、がらがらと人は崩れ落ちた。死体の山、山、山、山、山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山。

 最後の獲物は、幼い兄弟だった。老人は十字を切り、彼は日本刀の刃零れがないか確認した

「「少年は勇者になり、少女は勇者の母になる」」

 彼らは常日頃言われていることを唱えた。そして、兄弟は、この二人に怨みの視線をぶつけながら、この世を去った。

「完了だぁ。おっさん、帰ろうぜ」

「あぁ、あと少しで焼却部隊が来る。彼らの霊を天の元へと還すだろう」

「じゃ、また今度な」

「ああ、また今度」

 彼らはまるで二人で呑み交わしていたかのような挨拶で、その場から去った。

 その後、地元警察が現場に入ったところ、辺りはすべて焼け焦げ、白骨とボロボロの建物だけが確認され、謎のテロとして処理された。

 なお、調べによると、ある建物の地下に部屋があり、そこではまるで教会のようになっており、信者が座る椅子と、謎の祭壇。そして祭壇の上では、幼い少女が死体のまま横たわっていたという。壁には「The victory by the death」「The honor by teaching」

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