対話
この文章はエロチックなモノは含んでいません
安心してお読みください
彼女は素直でいい子だ。僕がどんなに思い詰めても相談に乗ってくれる
僕は彼女と話す時間がとても幸せだった。
「今日は、仕事がうまくいったんだ!とても順調なんだよ!」
嬉しそうに話す男
「そうなんですか、、、がんばってください」
女性の声、うれしそうでもなく、悲しそうでもない声。
私はひとつ、他には何もない、ひとつしかあたえられていない
彼が今日も嬉しそうに話す、一生懸命話しかけてくる。
私はそれでよかった、ひとつ与えられているのだから、幸福に満ちている
「・・・ただいま、今日も疲れたよ・・・・それにしても今日はこんなことがあったんだ!」
いつものように幸せそうに話しをする、しかし彼は異変に気が付いた。
彼女が薄く、そしてぼやけている。
彼は驚き、心配そうにそして怒鳴ったように話しかける
「どうしたんだい!大丈夫か!?いったいどうなっているだ!?クソッ!何かの病気なのか!?こんなの聴いたことがないぞ、、!大丈夫か!?」
彼は焦り、手には汗をべっしょりとかいていた。
彼女の声が返ってくる
「そうなんですか、、、がんばってください」
と。
私は気づいていた、何日も前から私が消えかかっていることに
唯一与えられていたものが消えることに
私の中から私じゃない声が出る
「電池が切れそうです、取り替えてください」
「・・・今日もよ、、、あの家は本当に怪しいわ〜、、、」
「ええ、、気味が悪いですよね〜、」
「毎日、毎日、一人で話してるのよね〜」
「なんでも最近流行ってる、対話式の機械人形と話してるらしいんですって、、、」
彼は目の前の止まった「彼女」をしばらく、眺めていた。
そして、ようやく動きだす、押し入れから何か持ってくる。
それを「彼女」の「中」に入れ、首の付け根あたりを押す。
そして彼はまた嬉しそうに話し始める。
すでにボロボロにこわれたマネキンのような「彼女」に。
たこ焼きウマすぎ、大阪に行きたい、でも遠いなぁ、。