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5,ASSENSION-アセンション-
「ASSENSION-アセンション-」
四季が色を変えるころこの水の色も変わる
薄紅色の人魚が僕の目の前を泳いでいる
静かに僕は太陽の色の記憶を探し始める
朝焼けはまだこの地には届かない
耳を塞いで感情の色だけを探した
溺れそうなほど肌寒い気温の下
どこまでも胸に混み上げてくるこの思い
果てしない運命の先 僕は僕の未来を探している
この果てしなく溺れそうな夢の中で 失っていく欠片は次々と水面へ上昇していく
そのゆらめきはなんとなくはかなくむなしい まるでよくそうをおよぐきんぎょのよう
それは懐かしいうたのよう なにもみえない闇の中でも伝わってくるよ
モノクロに彩られた深海の 白く色づいた白鳥は七色の海を渡ったいく
暗く沈んだ牢獄の中でそんな夢を描きながら 僕は瞳―色彩―を閉じた