0話 扉の誕生と一人の男
2083年、
長谷部 潤は日本にある観光地の砂丘に来ていた。
唐突に目の前に現れた扉、
建物は何も無い、
ただ扉だけが急に現れたのだ。
「不思議な扉だ……」
彼は大学卒業が確定し、
一人でのんびり旅行に来ていた。
目の前に現れた扉は綺麗な木目で
金色のドアノブが付いている。
ドアをゆっくり開けると、
ドアの中には緑の平原が広がっている。
「これはどうゆう仕組みだ?」
不思議なドアだ。
全くの違う世界に繋がっているような。
意を決して、扉の中に入ってみる。
ぎぃという音と共にドアがゆっくり閉まる。
気候は過ごしやすい、春のような陽気だ。
風が緑の匂いを運んで心地い気持ちになる。
ハッと気付き後ろの扉を見る。
ドアが、
あった、
「良かった」
潤は胸を撫でおろす。
平原側から再度ドアを開けてみる。
通じていたのはやはり元来た砂丘。
不思議な事もあるもんだと、
思い視線を平原に戻した。
ふと気がつく、遠くから音が近づいて来る。
4足歩行の動物が走って来るような音。
音のする方向見ると砂埃が舞っている。
徐々に近づいて来る。
耳の尖った少女。
と高層ビル程の高さの
イノシシの様な生き物
「こっちこっち!」
少女に大きな声を上げる。
気付いた少女がこちらへ走って来た。
もちろんイノシシも、
少女を扉の中に招き入れ、
慌てて閉める。
化け物の足音が響き、離れていく。
「大丈夫てすか?」
僕はとっにさ声をかけた。
彼女は長い金髪、
緑の瞳、
尖った耳……
まるで漫画のキャラクターの様だ。
突然彼女が言う
「危ない所を助けて頂き感謝する。
私の名はエルゲイン=ハリシュルバッハ、
バッハ国の王女である」
言ってる意味が分からない。
「命の恩人にお礼がしたい、
エルフの国に来てくれないか?」
これまた意味が分からない。
何かの演劇かと思い、
女性の耳を引っ張ってみる。
「痛い痛い、無礼者、なにをする!」
本物の耳だった。
まさかこれは……
本物の異世界への扉!?
そう思いながら私は、
エルフの国に行くことを、
丁重にお断りした。




