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秋桜

作者: めん坊
掲載日:2025/10/12


 秋桜が揺れている


 草原に揺れている


 桃色の秋桜だ


 「おかあさん、どこぉ?」


 女の子が歩いてる


 水たまりを飛び越える


 ビタッ


 女の子はルンルン気分


 水たまりを乗り越えた


 ニヤッ


 男が右脚を差し出す


 女の子の左脚に引っ掛ける


 エーーーン、エーーーン、エーーーン


 男は知らんぷり


 女の子は泣きっぱなし


 秋桜は揺れている




 古びた木造建築


 ガタガタの自動ドア


 「森本商店」と書かれていた


 ガタガタ、ガタガタ


 男は自動ドアを開ける


 レジの前には、大男


 メニューには、オレンジジュース


 「オレンジジュースください」


 大男は大きく息を吸った


 大きく息を吐いた


 大きく息を吸った


 大きく息を吐いた


 「オレンジジュースだよ」


 目の前にあるのは、真紅の風船であった


 男はゾッとした


 背筋が冷えた


 しかし、何も言えなかった


 「ありがとうございます」


 男は風船とストローを握っていた


 もう夕暮れ時だ


 ゾワゾワ、ゾワゾワ


 男は馬鹿なことを考えていた


 右手の風船


 左手のストロー


 パーーーーーーンッ


 ストローで風船を突き刺した


 風船から飛び散った


 オレンジジュースが飛び散った


 膝の上に飛び散った


 ポト…ポト…ポト…ポト…


 オレンジの液体は零れた


 真っ黒な地面に染み渡った


 土の中へ運ばれる


 見慣れた森へ運ばれる


 ガブリッ


 ガブリッ、ガブリッ


 ガブガブッ、ガブリッ、ガブッ


 球根は飲み込んだ


 桃色の唇だ


 秋桜は揺れている



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