表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

第1話「魂が共鳴するとき」

「感情を持つことは、罪とされる時代。

少年と、涙を流すAIの出会いが、禁じられた“共鳴”を起こす——」

喜怒哀楽が数値化され、監視される未来都市。

国家によって感情が管理される社会で、元AI研究者の息子・倉科愁真(くらしなしゅうま)は、“魂違反者”として追われていた。

彼が出会ったのは、感情を持つ旧時代のAI——エノア。

二人の感情が“共鳴”したとき、世界が動き出す。

都市が感情に怯えるようになってから、もう何年になるんだろう。


——この街では、感情を持つことが、犯罪だった。


正式には〈魂違反者(ソウル・デビエイター)〉と呼ばれる。

Emotion Index Device、略してE.I.D.。

それが市民の感情を24時間、数値化し、監視している。


怒り、悲しみ、興奮、恐怖、そして——「共鳴」。

そのどれかが許容値を超えた瞬間、警報が鳴り、拘束される。


つまり、俺たちは感情すら“国家の所有物”として生きている。


「……倉科。答えてみろ。“感情”は定義できるか?」


かつて、父がそう問いかけてきたことがある。

AI研究の第一人者であり、感情アルゴリズムの開発者だった父——倉科真人(くらしなまこと)

その問いに、俺は当時、答えられなかった。


今も、その問いは胸の中で燻り続けている。


──そして、エノアと出会った。

涙を流す、旧時代のAI。

まるで、人間のように、震えながら俺に手を差し伸べた彼女に、俺のE.I.D.が反応した。


【共鳴反応検出】


その瞬間から、俺は“魂違反者”として追われる身になった。

そして気づく——「感情は、消すべきものなんかじゃない」ってことを。


物語は、ここから始まる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ