第74話 準備
隣国に応援に行く……と言っても即座に出発と言う訳にはいかない。
まず今回の派遣部隊を編成するのだが、人選は王に任せた。任せたと言うか私には誰がいいか何か分からない。分からないが私が隊長であることを嫌な人間を連れて行くと偽装する意味がなくなる。それに魔法使いの部隊と言っても移動中の前衛も要るし補給部隊も要る。
正直に言うと面倒だが、他国であっても救える命は救いたい。そういう気持ちは有るが実際自分が出来る事は少ない。
私も一旦魔法で家に戻りローズマリーとカルミアに事情を伝え、着替えと荷物等を準備した。
その後学校の寮にも行き、サザンカと会った。
「お姉様、平日に来られると言う事は何か有ったのですね?」
「そうなの。少し隣の国まで行って魔獣討伐してくるわ」
「軽く凄い事言いますね。まあお姉様の事ですから無事に帰ってくるとは思いますが、向かった先の国を気に入ったから亡命するとかはやめて下さいね。そう言うのは帰ってきて相談してからですよ!」
「私を何だと思ってるの?そんな事は……しないよ?」
「そんな方法も有ったか、みたいな顔で言わないで下さい。お姉様の場合冗談で済まないのですから」
「大丈夫よ。家族、友達と領民を捨てるなんてしないわ」
「気を付けて……必ず帰ってきてくださいね」
「準備終わったら行ってくるね」
サザンカとの会話を終えて城まで戻って来た。
少しは編成が進んでるかなと思いながら城内に入った所で声を掛けられた。
「ツバキ様!私の連れて行ってもらえませんか?」
必死な顔をしたゼファー様だった。
「ゼファー様。編成は国に任せておりますし、ゼファー様を危険な場所に連れて行く訳には……」
「なら何故貴女は危険な所へ行くのですか?」
「助けるための戦い位しか私には能が無いですし」
「そんなことは有りません。でも貴女を少しでも助けたいのです。私にも貴女を護らせて下さい」
「あの……ゼファー様、ここ門の近くです。こんな人の多い所で……そんなに言われても……」
「すまない。少し声が大きかったな。でもできれば同行したい」
「お気持ちは分かりましたが、私個人としてはお断りいたします。私が帰って来る国を護っていてもらえませんか?国の事を心配しながら戦うのは危険ですし、ここには私の家族、友人達もいます」
「分かりました。貴女がそう仰るのでしたらあなたの希望通りこの国を護りましょう。ただ必ず無事に帰ってきてくださいね」
いい感じに会話を終わらせたと私は思っていたが、この会話を私と共に行く部隊の人間に聞かれているとは思っていなかった。
重要な会話は場所を考えないと駄目だなと改めて思った。
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