第35話 時間
冒険者に成る夢が……
「それっていつ頃に決まりますか?」
「君が卒業して成人になる頃だろうな」
「と言う事はあと1年も無いと……」
「そうだな」
「その間にサザンカを私以上に仕上げたら」
「お姉ちゃんそれは絶対無理よ!」
「世の中には絶対なんて物は無いのよ……って冗談よ。嫌がる貴女に強引に家を継がせることはできないわ」
「よかった……」
「で、どうするんだ?冒険者はもう終わりか?俺と結婚したら領地内で冒険者みたいな事してくれても良いぞ。他の仕事は俺がやるし。家の事も妹の事も心配なくなるしかなり好条件だよ。こんなに条件良いのは今だけだよ」
「通販ですか?」
「通販?って何?」
「気にしないで。まあ好条件なのはわかるけど……正直言うとね私結婚する自信ないんだ。夢の中(本当は前世)で結婚したけど楽しかったのは最初だけ。数年したらお互いの嫌な所が見えてきて、でも別れるほどでもなくて。お互いに年と共に見た目も変わって行きそれを責められたことも有るわ。最初は一生大切にするって言ってたのにね。そんな思いもうしたくないのよ」
「ねえお姉様……それ本当に夢ですか?物語とかではなく」
「何か経験したかのような説得力が……」
「お姉様、貴女自分でゼファー様以上の相手を探せると思ってますの?」
「それは無理でしょうね」
「でしたら何故嫌なのですか?将来の事等神様意外には分からないと思いますが」
「その通りね。でも私はサザンカにも安定した幸せな生活をして欲しいの。私は怪我とかしない限り冒険者で十分に生きていけるわ。でも元々体の弱かった貴女はそんな生活できないでしょ?最初は色々言われるかもしれないけど安定した生活ができる事って大切よ」
「なんかお姉様が言ってる事お母さまみたい」
「俺は未だ諦めたわけではない。賭けが有るからこちらからは言わない。でも君のこれからの人生を考えたら俺が最適解だと思うよ。君が決めてくれるなら妹も責任もって面倒見るし」
「商人だったらそんなに次々条件増やしたら損するわよ」
「俺は商人ではないが、本気で欲しいものの為なら何でも差し出すよ」
「どこにそこまで思わせるものが有るの?」
「そうだな。大前提として魔法の能力が有る。これは俺も他に知らないぐらいの能力だ。それと家族から責められても耐えれる強さ。間違った相手でも改心させようとするやさしさ。見た目も良い。これ以上の理由要る?」
「褒め過ぎて気持ち悪いわ」
「気持ち悪いは無いだろう?それとも外国から来た人が気になるのか?」
「そう言えばカゼって長い間会ってない気がする」
「忘れられてたのか?……そうか。それならいい」




