第12話 無理です
「貴族がそんな簡単に冒険者なんて出来るわけないじゃないですか?」
「と言う事は自分は特別だと?」
「勝算は(少ないですが)有ります」
「そうか……君を気に入ったのだけどな。……そうだ賭けをしないか?」
「理由が御座いません。それに貴方なら私なんかよりもっといいお相手がすぐに見付かるでしょう?」
「いや、見付からないからまだ婚約できてない。君のような人は中々いないよ」
「そう言っていただけるのは嬉しいのですが、私は実家とも色々ありまして……」
「そうだな。今日は失礼する。君の実家に連絡するよ」
「えっ?……実家に連絡するのですか……。嫌な予感が」
後日、ゼファー先輩と私は実家に呼び出された。再開しての一言目が
「こんな言う事聞かない娘よりこれの妹に美しくて賢いのが居ます。そちらにしませんか?」だった。
でも考え方次第ではこれは私の考えと合致する。婚約者は妹に任せて私は冒険者となる……。悪くない?
私が考えているうちに話は一旦落ち着いたようだ。帰るのにも時間がかかる為即戻る事となった。
「家族に嫌われているみたいだね。しかし言ってる事は間違ってるが」
「小さい時から妹優先で何か有れば私の責任だったのです」
「だから強く育ったのか?」
「いいえ私は弱いです。もう耐えられなくなったから家から逃げ出したのです。本当は妹を治す時以外は戻る気はなかったのです」
「それは悪い事をしたな……あの条件で大丈夫なのか?」
「何がですか?」
「もしかして話し合い聞いてなかった?とりあえず妹のサザンカさん?が入学するまでは君が婚約者となるって所だよ」
「えっ?嘘?」
「そして入学してから先の事を考えるという形にはしたが、合意はしていない」
「よかった……」
「しかし、良かったら前に言っていた賭けをしないか?」
「賭けですか?かける物も無いですが」
「君を賭けるんだよ。冒険者になって妹の入学までに薬か魔法で妹を治せたら君の勝ち。好きなものを一つ渡すよ。結婚も無し。失敗したら君の負け。俺と結婚してもらう」
「結婚か……結婚ね……結婚???いやあの結婚て好きな男と女が付き合って時間が経過してからするものでは?」
「いや平民ではなく貴族だよ。結婚相手なんて普通親同士で決まったりするのものだろう?」
「そうか、私貴族なの忘れてた。いやでもそれ私不利過ぎませんか?冒険者に成れるのは14歳。妹が入学してくるまで2年しか有りません。流石にそれでは……」
「それは安心しろ。特例で明日から冒険者に成れるように手配する」
「出来るのですか?」
「まあ昔から貴族だと若くても参戦することが有ってな。その方法を悪用……利用させてもらう」
今絶対悪用って言ったよね。
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。




