第八話 ゲームマスターの正体
「君たちには、僕はどのように見えるのかな?」
いきなりゲームマスターである竊挐、つまり黒幕のフォゲナ=ジュラレダが聞いてきた。
「そりゃ、もちろん人間だ。式神には見えない」
安倍晴明が答える。俺も同意だ。どこからどう見ても人間で間違いない。
「まあ、やっぱそうだよね。僕は実際に今は人間なのだから」
今は、、?どういうことだ?
「駄目じゃないか。戦闘中に考えことをするとは」
フォゲナの拳が俺の顔面スレスレに飛んでくる。
「っ!」
「うーん、駄目だね、、。動きが遅いな、鈍ったかな」
あいつ、攻撃の一つ一つが重い!一発でも喰らったら無事では済まない!
「専従目式神 鬼面」
鬼の面を被った女の子が現れた。一体どんな能力なんだ、、?
「おっ、いいね。いい能力だ」
そう言ったフォゲナの顔には鬼の面が着けられていた。何が起こったんだ、、?理解が追いつかない、、。
「鬼面は対象に毒を盛るための鬼の面を着ける。これは脱着不可能なものだ」
「まあ、僕には関係ないけどね」
そう言うと、フォゲナは鬼の面を軽々と外した。
「もっと強いの頂戴よ。いるでしょ?十二天将」
十二天将、、!俺がフルボッコにされたあの式神、、!こいつにはそれと同等の強さがあるということか、、!?
「よいしょっと」
フォゲナが地面をえぐり、俺らに投げつける。
「ぐっ、、」
重い、、!『身体強化』を使っていたからまだ死んではいないが、次くらったらもう死ぬかもしれない、、。
「てか待て。なぜお前の攻撃は当たるのに俺らの攻撃は当たらないんだ、、?」
おかしい。こいつは全てを通り抜けると言った。なら地面も通り抜けるはずだし、お面もつけれなかったはずだ。
「鋭いね。僕の『透過性向上』は相手の攻撃のみ透過させ、他は透過させないんだ。まあ攻撃以外が当たると言っても、どのみち君たちが僕を殺すことはできないんだけどね」
確かにそうだ。攻撃が当たらなければ殺せない。そう思っていると
「十二天将 貴人」
清明が十二天将の主将、貴人を召喚した。
「貴人の能力は万物の創造だ。加え、こいつに触れたものは例外なく死ぬ。触れればな」
なるほど、触れたらだから通り抜けるあやつには後者の能力は効かないということか。
「そいつを出してどうするつもりだ、清明君。僕には攻撃が当たらない。僕は今不死身なんだよ」
「そこでこいつの能力、万物の創造を使う。これでお前の透過を破る」
そんなことができるのか、、!?
「貴人は十二天将の主将、見くびられたら、困る」
「ふふっ、ふふふっ、ふははははははははっ!この透過を破る、か!そんなものは今まで見たことがない!」
いきなりフォゲナの口調が変わる。どうしたんだ、、?もしかして、二重人格?
「面白い、やってみるがいい!安倍晴明!この、全世界の創造神である、我ゼウスを殺せるのならば!」
次で晴明の活躍が全て顕になります。その次の回で最終話となります。