第三話 陰陽師
俺は『身体強化』を使ってみる。すると、なんだか強くなった感が否めない。見える視点も先程までとは違う。感慨深くいると武蔵が襲いかかってくる。
(なんだろう、遅いな、、)
そう感じ、俺は余裕で攻撃をかわし、『酷祓』で切りつける。これは入った。武蔵に致命傷を与え、俺は『酷祓』をしまう。
「おい、お前」
俺は武蔵に呼びかける。
「素は強いな。今度また戦おうではないか」
そう言うと、武蔵は笑い、
「そうだな」
と言って散った。さてと、これで討伐数1か、、。他の奴らも殺して、俺が優勝してやるか。そう意気込んでいたら遠くから銃声が聞こえた。
「くそ!なんだこれ!」
誰かが叫んでいる。ちょっくら行ってくるか。
「どうした」
そこに着くと、1人の青年がしゃがみ込んで泣きそうになっていた。向こうには、手印を結んでいる男がいた。
「龍」
男がそう言うと、俺たちは何かに咥えられ、上に持ち上げられて落とされた。
「なんだこれは、、」
「追加で1匹増えたか、、。まあいい、雑魚だ。やれ、龍」
男がそう言った瞬間、俺は死を感じ、とっさに身を転がした。
「お前、まさか見えるのか、、!?」
男は驚いている。見える?一体何のことだかさっぱりだ。
「分かってないのか。せっかくだしこれを渡してみよう」
そう言うと男は急に俺に近づき、俺の額に札を貼った。
「おい、何をした。これを剥がせ!」
「いいから、俺の方をよく見てごらんよ。何かがいるだろう」
そう言われたので、目を凝らして見てみると、そこには龍がいた。
「なんだ、こいつは、、」
「こいつは『専従目式神』の『龍』だ。飛行能力があり、空からの攻撃を特に得意とする式神だ」
式神?呪術のことか?なら、こいつはおそらく陰陽師だろうな。
「貴様、名前は?」
「ふっ、俺の名は安倍晴明。最強の陰陽師さ」