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(^ω^)【ようです】のようです

【小説家になれなかった息子に、母親が家に代々伝わる秘宝を授ける】(^ω^)ようです

作者: 日曜日夕


 (・∀・)「全く、タカシの奴。一体どこをほっつき歩いているんだ?」



   ('A`)「最近は大学にも行っていないらしいわ」



<バンッ!



 (^ω^)「帰ってきた! 俺は帰ってきたぞ!」

 

 

   ('A`)「タカシ! あんた二週間もどこ行ってたの!?」

 

 

 (・∀・)「そうだ。お父さんもお母さんも、心配していたんぞ?」

 

 

 (^ω^)「うっせぇ!俺はもっとビッグになって名を轟かせる為に、旅に出ていたんじゃ!」

 

 

 (^ω^)「"連載小説"という名の大海原によぉッ!」

 


(・∀・;)「何を言っているんだタカシッ!」


 

 (^ω^)「しかし、まだ俺には"力"が足りなかった!」

 

 

   ('A`)「当たり前よ!小説家はね、ちゃんとプロットを練って、キャラクターも作って、綿密な投稿計画の元に、沖へと漁に出ているのよ!?」

 


(・∀・;)「お母さんッ?小説家は漁師じゃないよ!?」



   ('A`)「人間をとる漁師よ!」



(・∀・;)「違うよ!」



  ('A`)「それに比べてタカシ! 瞬間的な発想だけを頼りに海に出て、それで漁が成功すると思っているの?」



   ('A`)「恥を知りなさい!」



 (^ω^)「ぐッ!くそぉぉぉッ!」



 (・∀・)「タカシ……教えてくれ、お前たちは何の話をしているんだ?」



 (^ω^)「俺はッ……俺はこんなところで……ぅッ!」



  ('A`)「……」



  ('A`)「……"力"が、欲しいか?」



(^ω^)「ッ!欲しいッ!1京1000兆PVが欲しい!」



(・∀・)「嫌だよ俺。力を求める息子と、力を授ける妻」



(・∀・)「そもそも"力"ってなんだよ。頼むから俺を置いて行かないでくれよ」



  ('A`)「ふふ。私の父に似た、良い目をしている」



(・∀・)「彼の孫だからね」



  ('A`)「付いて来なさい!我が家の地下に眠る神殿に案内するわ!」



(^ω^)「なッ……この家の下にそんなものが……っ!?」



(・∀・)「家を建てる時に、ちゃんと地質調査したのにッ?」



  ('A`)「勝手口に付いているダイヤルを回すと……この通り。地下への階段が姿を現すわ」



(^ω^)「す、すげぇ。十数年住んでいて、全く気づかなかった」



(・∀・)「キッチンは母親の聖域だからな」



  ('A`)「この階段を降りると……このとおり、東京ドーム一個分の巨大空間が存在するわ」



(^ω^)「こういう空間。オラすっげぇワクワクすっぞ!」



(・∀・)「お父さんは耐震性がすっげぇ気になっぞ!」



(^ω^)「あ、目の前にパルテノン神殿みたいな建物が!」



  ('A`)「ここに、祖先より代々伝わる秘宝が眠っているのよ」



(・∀・)「へぇ、代々伝わってるんだ、この神殿。家建てる時に教えてくれても良かったんだけどね」



  ('A`)「そして、コレが秘宝"菩衣鬼津神(ボイオニツチ)手稿"よ」



(^ω^)「唯のぶっとい巻物じゃん。こんなのが秘宝なの?」



(・∀・)「イタリアで発見されてそう」



  ('A`)「一説にはアカシック・レコードの写本とも称されしこの手稿には、おそらく、絶対に人気の出る小説の書き方も載っていよう」



(^ω^)「うおおおっ!これで俺も人気作家になれる!小説家になろう!」



(・∀・)「書き方が載ってても書けるとは限らなくない?年に何冊の参考書が発行されてると思ってんの?」



  ('A`)「問題ないわ。その場合、この本に載っている物語からパクればいいから」



(・∀・)「作家としてそれでいいのか?」



(^ω^)「大丈夫だ親父。俺は小説が書きたいのではなく、小説家になりたいだけだからな」



(・∀・)「何言ってんだお前」



(^ω^)「でも、その手稿の中に書かれた物語を、もう他の人が知っている可能性は無いの?」



  ('A`)「抜かりは無いわ。なぜなら、この"菩衣鬼津神(ボイオニツチ)手稿"は、未だ解読されていないから!」



(^ω^)「うおおおっ!プライバシー保護も完璧!」



(・∀・)「……解読されてないなら、タカシも読めなくない?」



  ('A`)「あ」



(^ω^)「あ」



(・∀・)「どーすんだよコレ」



 (^ω^)「クソッ!またしても俺はッ……俺はこんなところで……ッ!」



  ('A`)「……」



  ('A`)「……"力"が、欲しいか?」



(・∀・)「もういいだろ"力"は。何の力だよ」



(^ω^)「欲しいッ!俺は、諦めるわけにはいかない!」



  ('A`)「……なら、もっと真面目に大学に勉強しに行きなさい!」



(^ω^)「いっけね。こりゃ一本とられたよ」



ちゃんちゃん



(・∀・)「"ちゃんちゃん"じゃねぇよ……ん?こんなところにノートパソコンが」



  ('A`)「それはこの空間の温度・湿度調整用のPC端末ね。巻物は湿度が大敵だもの」



(・∀・)「無駄な技術力……だが、丁度いい。タカシがどんな小説を書いているのか、私が読んでやろう。父親として」カチカチ



(^ω^)「なッ!やめッ!俺は本名で登録しているからすぐに見つかっちまうんだ!」



(・∀・)「ありがとう。すぐに見つかったよ」カチカチ



  ('A`)「なら、私も読ませてもらうわ。母親として」



(^ω^)「やめろぉ!見るなッ!そこにはこの世の地獄が眠っているぞぉぉッ!!」



(・∀・)「お前は何を書いているんだ?」カチカチ



  ('A`)「どれどれ……」



(・∀・)「ふむふむ……」



(^ω^)「ああッ!恥ずかしいッ!でも、それがまた癖にッ……!」



(・∀・)「……」



  ('A`)「……」



(・∀・)('A`)「読めねぇ……」


(^ω^)「オッス!オラ自己顕示欲の塊!大地とか海はどうでもいいけど、なろう読者のみんな、オラにめっちゃ高評価おくれーーーッ!」

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