表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/78

作戦②

またまた更新が遅くなってしまい、すいません!!

「上手くいくかしら?」

「大丈夫でしょ。というよりもっと詰めてよね。」

私はレアナに軽い文句を言った。



今日はマリアンヌとレオさんの感動の再会なのだ!

なんと、マリアンヌが手紙を送る前にレオさんの方から会いたいと連絡が来たらしい。

これに関してはレアナのお手柄なんだけど…。

「2人で覗いてたらバレるじゃん!」

そう。私とレアナは応接室を覗き見していた。

「何言ってるの!これを見逃すわけにはいかないわ!こんなに面白そう…いや素晴らしい再会シーンなんだから。」

レアナは胸を張ってそう答えた。

いやいや、絶対面白がってるよね?

私がため息をつくと、

「じゃあ、セリスがやめたらいいんじゃないの?私が代わりに目に焼き付けておいてあげるから。」

レアナは不敵な笑みを浮かべてそう言った。

くっ…。

しょうがない、静かに2人で覗くか…。

私は師匠から気配を消すコツとかも教えてもらってるから覗こうと思ってたのに…。

まあ、2人でもバレなきゃいいか…!

そして、私達は2人して応接室を覗き込んだ。




ど、どうすればいいの?

目の前にはレオ様が座ってるし…!

私は座ったまま固まっていた。

レオ様はというと、硬い表情で黙りこくっている。

やっぱり、私から話すべきよね…?疎遠状態になったのは私が原因なのだから。

「えっと、今日はお越しいただきありがとうございます…。」

なんとかそんな当たり障りのない言葉を発すると、

「ああ。」

レオ様は軽く返事をした。


会話が続かない…!

こんな事なら無理にでもセリスに同席してもらうべきだったかしら?

『2人の問題でしょ!人に頼らないの!』

そう言ってセリスは帰ってしまったのだ。

でも!ここからどうやって話を続けたらいいの!

私が心の中でベソをかいていると、

「今まで申し訳なかった。」

急にレオ様はそう言って頭を下げた。

私は驚きのあまり一瞬固まり、そして

「な、なぜレオ様が謝られるのですか?悪いのは私の方なのに…。」

そんな言葉を発した。

だって、悪いのは全て私。

レオ様は歩み寄ろうとしてくださっていたのに。

「いや、俺はマリアンヌ嬢の立場を理解していなかった。本当にすまない。」

それでもレオ様は再度頭を下げた。


あぁ。やっぱり私は馬鹿だった。

こんなに優しい人を、私の事を考えてくださる人を遠ざけていたなんて。

私は心の中に生じる後悔をぐっと噛みしめ、

「私は故意にレオ様を遠ざけました。」

そう告げた。

私の言葉にレオ様は少し悲しそうに顔を伏せる。

それでも私は言葉を続けた。

「これ以上傷つきたくなかったから…。自分の事しか考えていなかったんです。私は自分の思い込みでたくさんの人を傷つけました。本当に後悔しています。だから、もう後悔はしたくありません。もう一度私とやり直してくださいませんか?」

自分の本音を全てレオ様にぶつけたのだ。

突き放されても構わない。それだけの事を私はした。

そう思って顔を伏せていると、

「やっぱり真っ直ぐな人だな。マリアンヌ嬢は。」

レオ様はそう呟いた。

「えっ?」

私は驚いて顔を上げると、私の勘違いかもしれない、勘違いかもしれないけれど…

愛おしくてたまらないと言ったような表情でレオ様は微笑んでいた。

それを見た瞬間、私はドキッとする。

そして、レオ様は

「こちらこそよろしくお願いします。」

私の一番欲しかった言葉をくれた。

「ちょっ、マ、マリアンヌ嬢?」

すると、何故かレオ様は焦ったような声で私を呼びかけた。

私が軽く首を傾げていると、

「泣くのは反則だな…。」

そう言ってレオ様は私の頬に触れた。

なんと、私は私の知らぬうちに泣いていたのだ。

「も、申し訳ありません!」

殿方の前で泣いて、それを拭わせてしまうなんて!

私が羞恥のあまり顔を真っ赤にしていると、

レオ様は笑みを浮かべて、

「可愛いから別にいいよ。」

なんとも甘い言葉を発した。

その言葉によって私の顔はさらに赤くなる。

「か、か、可愛いなんて…。」

レオ様はしばらく笑っていたけど、急に何かを察したかのように表情を固くして扉の方へと歩いて行った。

そして、

ガチャッ!

思いっきり扉を開けたのだ。

すると、中に2人の女性がなだれ込んできた。

「いたっ…!」

「痛いですわ…お兄様。」

そこには帰ったはずのセリスとレオ様の妹君であるレアナ様の姿があった。

「セ、セリス!?」

私が思わず声を出すと、

「もう!レアナのせいで見つかったじゃん!」

「何を言っているの?セリスのせいでしょう。」

「いいや、あそこでレアナが身を乗り出したからでしょ!?」

「セリスが身を乗り出したんじゃない!!」

2人で言い争いをし始めてしまった。

そんな2人についていけなくてオロオロしていると、レオ様がパンッと手を叩き大きな音を出した。

その瞬間、2人の言葉も止まる。

「何でここにいるのか説明しろ。」

レオ様はさっきよりも1オクターブほど低い声で言葉を発した。

「兄の忘れ物を届けにきたと言って入れてもらいましたわ…。」

「えーと、実は帰ってなかったというか…。」

レアナ様はレオ様に、セリスは私に歯切れ悪くそう告げた。

ちょっと待って。ということはさっきのを全て見られていたということよね?

私はさっきの事を思い出して真っ赤になり、

「ひどいわ!セリス。同席してって言ったら断ったくせに!」

大きめの声でセリスに文句を言った。

「だって、私がいたら本音で話せないじゃない。だから、ちょっと覗こうかと。」

セリスはバツの悪そうな顔でそう告げる。

そんな私たちを見てレオ様は疑問に思ったのか、

「2人は知り合いなのか?」

と、問いを投げかけてきた。

「はい!兄経由で。」

私が答えると、

「エドワードか。確か、あいつも騎士団所属だもんな。」

納得したように頷いた。

ん?

というか何でセリスはレアナ様とあんなに仲良さげなんだろう?レオ様も知り合いみたいだし。

もしかして、セリスって本当は凄い人だったりするのかしら?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ