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作戦①

ブクマ登録500件越えありがとうございます!!

「そんな事があったの?」

私は学園に行き、マリアンヌについての話をレアナに全て話した。

「そうなのよ。それでね…私、マリアンヌを可愛いと思っちゃったんだよね…。」

元々綺麗な顔立ちなんだから、あの笑顔はずるいわ…。

私が複雑な表情で告げると、レアナは一瞬きょとんとして、笑い出した。

「兄も初めて会った時にそう言ってたわよ。本当は可愛らしい性格をしてるんじゃないかしら?」

レアナは少し懐かしそうに目を細める。

「やっぱり?あの笑顔はずるいよね…。」

私はにっこり微笑んだマリアンヌを思い浮かべながらため息をついた。

すると、

「それはそうと、早く兄にも動いてもらわないとね。せっかく本来の自分を取り戻したというのに、あの馬鹿侯爵に何かされたら、たまったもんじゃないもの。」

レアナは不敵な笑みを浮かべながら呟いた。

「そうよね!あんなに可愛いマリアンヌを放っておく婚約者なんてクズにしか思えないもの。」

私もそれに同意して笑みを浮かべる。

そして、

「「作戦を考えましょう!」」

私達は作戦会議を始めた。




その日の夜

「ねえ、お兄様?」

私は城から帰ってきた兄に笑顔で話しかけた。

「げっ…。何だよ。お前がその笑顔で話しかけてくる時は大抵悪い事が起きるんだけど…。」

兄は私の顔を見た瞬間、顔をしかめる。

「まあ、酷いですわ。社交界の女性にはチャラついた風に話しかけるというのに、妹には冷たいですわね。」

私は笑顔を崩さず、しれっと兄の痛い所をついた。

社交界での兄は歯の浮くようなセリフをさらっと吐くような軽い王子様キャラ。

でも、本当は真面目で異性といるより同性と過ごしてる方が楽だと思っている、婚約者にしか興味がない人なのだ。

「うっ…。」

兄はやはり私の言葉にダメージを受けた様子で固まっていた。

まあ、それも婚約者に対する気持ちを拗らせてしまったのが原因なのだけれど。

「まあまあ。私の話を聞いてくださいませ?」

私は固まっている兄を無理やり私の部屋へと引っ張っていった。



「で、何の用だ。」

ブスッとした様子で兄は聞いてきた。

「気がお早い事。すぐに本題に入ろうとするなんて。」

私が紅茶をすすりながら言うと、

「何でお前はそう面倒くさいんだよ!」

兄は不機嫌そうに言い放った。

本当に、外と中では物凄いギャップね。セリスにも歯の浮くような言葉を投げかけてるというのに。

そう思いながら、

「では単刀直入に言いますわ。もう一度マリアンヌ嬢とお話をしてはいかがです?」

言葉を発すると、兄は真顔になり即座に席を立った。

「お前には関係ない。口出しするな。」

そして、ドアへと向かい出す。

「マリアンヌ嬢が今頼れるのはお兄様だけですわよ。」

私は背中にそんな言葉を投げつけた。

勿論、エドワード様やセリス、私だって味方。

でも、所詮エドワード様は義父であるイーディス侯爵に逆らえないし、セリスも立場的に守るのは難しい。

私だって力になれることは多くない。

だって……

ーー女だからーー

頭に嫌な考えが浮かび、思わず顔をしかめる。

そして兄は少し足を止めたが、すぐに私の部屋を出て行ってしまった。




「婚約者?」

私は何故かセリスとしてマリアンヌと会っていた。

そして、私が話そうと思っていた事を自分から相談し始めたのだ。

「ええ…。とてもよくしてくださっていたんだけど私から遠ざけてしまって…。今は全く会っていないの。」

まあ、私にとっては好都合なんだけどね?

でも、恋愛相談とかは勘弁して!私は前世を含め恋愛未経験者なんだよ!!

「手紙を書いてみては?すぐに会ったりするのは難しくてもそれならすぐにできる気がします。」

私はそれでも冷静に答えた。

せっかく相談してくれてるんだ。がっかりさせたくない。それに未経験ってばれたくない!!

「手紙…。すごくいい案ね!流石、セリス様だわ!!」

「喜んでもらえて嬉しい…って、セリス様!?」

ぶっ飛んだような発言が聞こえて思わず声が大きくなる。

「えっ、だって私の目を覚まさせてくれたんだもの。呼び捨ては失礼だわ。」

マリアンヌは当たり前だという風に言った。

「いやいやいや!私は平民、あんたは貴族!どう考えても様呼びはおかしいでしょうが!!」

だから、私もタメ口が出てしまった…。

数秒後に気づいてハッと口を押さえる。

やばい…。

内心冷や汗を流していると、マリアンヌは嬉しそうに笑い、

「そっちの方がいいわ!」

もっと驚きの事を言い出した。

「はい?」

聞き間違いかと思って聞き返すと、

「私と話す時は敬語なんて使わないでほしいの。お願い。」

目の前で手を合わせられてしまった。

うぐっ…。

私はこういうのに弱いんだよ!

「いいけど…。私の事も様呼びはやめてくれるなら。」

案の定、私はオーケーしてしまった。

その瞬間、マリアンヌは花のように笑う。

「ありがとう!」

うぐっ!やっぱり私は美人には逆らえない…。



「それより、さっきの続きだけど。文通を通して会う約束をするのがいいと思う。」

私は咳払いをして、話を戻す。危ない、危ない。本題から話がずれまくってたよ。

私の言葉に、

「会ってくれるかしら…?」

マリアンヌは不安そうに下を向いた。

それに対して、

「いい?ここが勝負時なのよ!婚約してるってことはどんなに仲が悪くても結婚するのよ?惚れさせた方がいいじゃない!」

私は力を込めて力説した。

うん。分かってる。お前何様だって感じだよね。でも本当のことだし!

マリアンヌは目をパチクリさせていたけど、すぐに笑い出した。

「ふふ…。それもそうよね。分かった。試してみる!ありがとう!」

ひとまずは成功?かな。

あとはマリアンヌの方が成功したかどうかだよね!


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