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番外編8 執事と令嬢の出会い

更新遅れてすいません!!

いつもより結構短めです。

「フィン?別館の庭の草むしりに行こうと思うんだけど、一緒に来てくれない?」

俺が椅子に座って休憩していると、そうユラが話しかけてきた。

「分かったよ…。」



セリスティアお嬢様が侯爵邸に来てから2年ほど経った。

相変わらずお嬢様は自分の素を隠しているし、俺も直接的な関わりは少ない。

ただ、お嬢様の行動は結構目立っていたりする。

まず、なんでもできてしまうのだ。

ユラも食事を準備することくらいしか仕事がないと嘆いていた。

掃除をしようとしても部屋にはホコリひとつ残っていないらしいし、身の回りの世話の必要がないのだ。

そして、賢い。

ユラが世間話程度の話で、自分の妹達にお菓子を買って行ったら、量でいつも揉めて困っているという話をしたらしい。その時、

「じゃ、じゃあ1人がお菓子を分けて、もう1人が選べばど、どうでしょうか…。」

遠慮がちながらもすぐさま発案してきたのだ。

他の奴らはお嬢様をちゃんと見ていないから気づかないだろう。

でも、俺とユラには隠す気がないのだろうかというくらい目立つ行動が多い。

まあ、お嬢様が表立って行動を起こさない限り俺達も特に何かをしようとは思わないが。

「フィン?早くして。じゃないと、またお嬢様に先にされてしまうから。」

ユラは動きが止まっている俺を怪訝な顔をしながら急かす。

「はいはい。」

つまりユラも俺もお嬢様に心酔してるってわけだ。

思わずふっと笑みが溢れた。



「よし。あらかた終わったわね。」

1時間ほど草を引き抜いているとようやくユラが満足げにそう言った。

「その完璧主義、ほんとにやめてくれ…。もうくたくただっつーの…。」

俺がユラに文句を言うと、

「仕事は完璧にするべきでしょ。」

ユラは胸を張ってそう言った。

ユラ・リース…。

リース家は王都一の大商家で完璧主義な事で有名だ。ユラはその血を受け継いでいるんだろう。

かなりの完璧主義で俺はユラのせいで無駄に働いている気がする。俺はサボれるだけサボりたいのに…。

「じゃあ、私はバケツを持ってくるからちょっと待っててね。」

俺の不満げな視線を完璧に無視してユラは駆け出して行った。



ガチャッ

俺がユラを待って座り込んでいると、徐に別館の扉が開いた。

俺は本能的に木陰に隠れる。

すると、

「はぁ。どうしよっかなー。このまま何もしないわけにいかないし…。」

お嬢様が何やら呟きながら庭に出てきた。

だめだ…。このまま出て行ったらやばいタイプだ。

独り言を聞いてしまったことになるし。

俺が頭を悩ませていると、

「うーん…。このまま大人になるまで大人しくしてて、宝石類奪って逃げるとか!」

衝撃発言をしていたので思わずむせる。

「ゴホッ…!」

そしてすぐさま口を押さえた。

やばいやばいやばい!!

「だ、誰かそこにいるの…?」

お嬢様は訝しげに声を上げる。

出ていくか?いやいや、こういう時は…!

俺は大きく息を吸って、

「ニャー。」

猫の鳴き真似をした。

捨て身の策だったが、

「ああ。なんだ猫か。」

お嬢様はあっさり騙されてくれた。

よかった。お嬢様が鈍くて。

そんな風に安堵していた時、

「んなわけないだろーが!」

お嬢様は俺の目の前に現れ、そう言った。

で、ですよねー…。

「いつから聞いてたのかな?ん?」

お嬢様は不自然すぎる笑みを浮かべながら俺に迫ってくる。

「いや、途中からですよ…。『はぁ。どうしよっかなー。』って所からですし!」

「最初からじゃん!」

そして、お嬢様はため息をつきながら、

「誰にも言わないって約束してほしいんだけど…。」

と言った。

「もちろんです。」

こんな面白い秘密、他の奴に言うわけがない。ユラを除いて。

俺が頷きながら言うと、お嬢様は安心したように肩の力を抜いた。

そして、

「じゃあ、これからよろしく!」

無邪気な笑顔を浮かべた。

この笑顔が邪気に溢れた笑みだったということにこの時の俺は気づくよしもない…。



そして、

「フィン、私はあの人から逃げないといけないから後はよろしく!!」

こんな風に面倒を押し付けられるようになるのは、まだまだ不確定な未来の話…。

リクエストいただきましたフィンとセリスティアの出会いを書かせてもらいました!

またリクエストありましたら、書いていただけると嬉しいです!!

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