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番外編5 出会いイベント〜ミリアナ視点〜上

ミリアナから見た出会いイベントです!

ほんとに、どうなってるわけ!?

何でセリスティアが病気になんかかかってんの!

セリスティアが学園を休み初めてもう5日が経ってる。

いくらなんでもおかしいけど、様子見に行こうとしても、フィンが邪魔するし!!

明日は第二王子との出会いイベントだっていうのに、このままじゃゲームの展開が崩れるじゃない!!

今日こそは、絶対にセリスティアに会わないと。

明日に影響が出たら困る!!



私は早速、別館へとやってきた。

本当はこんな汚い所来たくないけど、やむを得ない。

別館に入り、セリスティアの部屋の前に着くと、やっぱりフィンが立っていた。

フィンを見た瞬間、怒りが込み上げてくる。

ほんとに、しつこい!

いっつもいっつも、邪魔してきて!

顔はいいのに、これじゃ台無しだわ!!

それでも、

「セリスティアがそんなにひどい病気にかかっているのだったら、ぜひお見舞いをしたいの!だから部屋に入れて!」

私はヒロインというキャラを守るために、必死に心配しているフリをしながら言った。

こんなに可愛いんだから、言うこと聞きなさいよね!

「ミリアナお嬢様にうつってしまうかもしれませんので、それはちょっと…。」

それでも、フィンはそう言って部屋に入れてくれない。

確か、セリスティアって専用の執事もメイドもいないのよね?なのに、何でフィンがこの子の世話してるわけ?

マジ、腹立つんだけど。

「フィンはそれしか言わないのね!私はセリスティアが心配なの!!」

尚も私が言いつのっていると、

ガチャッ!!

不意に部屋の扉が開いた。

「えっと、あの、私はもう大丈夫、だから…。」

本当に小さな声で顔を少しだしながら、セリスティアが口を開いて言った。

久しぶりに顔を見たけど…。

本当にブサイクよね。ブサイクの上に勉強も運動も苦手って流石に同情する。

まあ、私はヒロインだから関係ないけどね!

「明日は、学園に行くから、大丈夫…。」

軽く同情していると、セリスティアはそう言った。

その瞬間、私は安堵の気持ちでいっぱいになる。

これで、これで、明日の出会いイベントは成功するわ!

「そう!よかったわ!じゃあ、明日のためにもゆっくり休んでね!!」

明日、セリスティアが学園に来るならここにはもう用はない。

こんな幽霊が出そうな館になんていたくないし!

私はそう思って、その場を退散した。



翌日

「お姉様!一緒に教室へ行きましょう!」

学園に着いた瞬間、私はセリスティアとマリアンヌにそう言った。

昨日は焦ってセリスティアの事呼び捨てにしちゃったけど、大丈夫よね?

バカっぽいから忘れてそうだし。

それに、文句言えるほど気も強くないだろうしね。

「何言ってるの?あんたみたいな汚らわしい奴と行くわけないでしょう?あと、気安くお姉様なんて言わないで頂戴!」

マリアンヌは相変わらず、高飛車な態度でそう言い放った。

そうよ。それでいいわ。私は内心ほくそ笑む。

「貴方はどうするの?セリスティア?」

マリアンヌはセリスティアに問いかけた。

もちろん、セリスティアは

「も、もちろん、お姉様についていきます…!」

いつものおどおどした態度でマリアンヌの後を追っていく。

「お、お姉様…。」

私はというと、悲しげな声でそう呟き顔を伏せていた。

よし、ゲームの展開通りだわ。

すると、

「ミリアナ嬢、大丈夫かい?」

「ひどいお姉さん達だね!」

「気にしなくていいんだよ。」

同じクラスの男子達が声をかけてきた。

「だ、大丈夫です…。私が悪いから。」

それに対して、弱々しく微笑みを返した。

ほんとに、男ってちょろい。ちょっと優しくしたり、煽てるだけで勘違いするんだから。

そのおかげで、女子達からは悪い印象を持たれてるかもだけど、そんなの気にしない。

だって、私は将来聖女になるんだから!!

どんなにやっかまれても私の地位は確定してるのよ!



授業が終わり、席に座って待っていると、

「ミリアナ嬢!えっと、この子が呼んでるわよ!」

セリスティアが私を呼びにきた。

とうとう、始まるのね!イベントが!!

私はニヤニヤが溢れるのを必死に堪えながら、セリスティアに近づいて行った。

「あっ、お姉様!私に何かご用ですか?」

私が話しかけると、

「お、お姉様が呼んでるから…!中庭に来て欲しいの…。」

セリスティアが気まずそうに言った。

バカね。そんな言い方じゃ普通怪しまれるでしょ。

まあ、私は展開知ってるから乗ってあげるけどね!

「お姉様が!?嬉しい!行くわ!!」

ふっふっふっ、これで私の計画通りよ!!

続きます。

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