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初仕事編8

更新、遅れましてすいません!!

これからは少なくとも週一には更新いたします!!

「ジョルジョの母方の祖父にあたる人と私は知り合いなの。」

とりあえず、私はそう切り出した。

「え?」

ジョルジョは私の言葉に目を丸くしながら、固まる。

「僕にはまだ、家族がいたの?」

ようやく、意味を理解したのかジョルジョがそう問いかけてきた。

「ええ。ジョルジョは知らなかったと思うけど、私の師匠でもある、元第一騎士団団長、レイス・フォード子爵が貴方の祖父なの。」

私は勇気を振り絞って答えた。これはいつかは言わないといけないことなのだから。

「それは…貴族って事?」

恐る恐るという風にジョルジョは口を開いた。

顔がこわばっているし、信じたくないといった様子が伺える。

「そうよ。ジョルジョはフォード子爵の唯一の血縁ということになるわ。」

それでも、私は正直に答えた。

ここで、嘘をついても何にもならないから。

だがその瞬間、ジョルジョは叫んだ。

「どういう事!?僕は貴族だったの?お姉さんも知ってて僕を騙してたの!?」

案の定、混乱している様子だ。

こういう時、私は何を言ってあげればいいんだろう。

落ち着いて!とか?

いや、こんな状況で落ち着けなんて言っても絶対に聞いてくれない。

えっと、えっと…!

「お前は、貴族が嫌いか?」

私がパニック状態に陥っていると、静かにゼンが口を開いた。

ゼンのその言葉はまるで「鶴の一声」のようにその場に凛と響いた。

「嫌いだよ…。お母さんを!お母さんを殺したのは貴族だ!!」

「お前の母親も貴族だ。」

ジョルジョの叫びにゼンは即座に切り返した。

「お前の母親はフォード子爵家の一人娘だった。だが、お前の父親と出会い、貴族社会から去った。」

私でも知らなかった事実をゼンは淡々と述べていく。

「お前の母親は貴族だ。でも、ここで兵士として誰に対しても分け隔てなく接していた。それは、お前が1番分かっているはずだ。」

ゼンが口を閉じたときにはジョルジョはかなり落ち着きを取り戻していた。

「もう一度聞く。お前は貴族が嫌いか?」

そして、ゼンが同じ問いを口にすると、

「お母さんは例外だよ…。」

小さな声でジョルジョが答えた。

「その例外はお前の母親だけじゃない。確かに、ここの元領主のように不正を行う奴もいるが、貴族として正しい行いをする奴もいるんだ。」

ゼンはさっきの淡々とした口調から打って変わって、優しく諭すように言葉を続けた。

ジョルジョは俯いたまま黙っている。

そこで、私も口を開いた。

「ジョルジョもなってみない?」

私の言葉にゆっくりとジョルジョは顔を上げた。

「正しい行いをする立派な貴族に。人を助けられる人間に。」

私はそう言ってにっこり笑った。

「一緒に王都へ行こう?」

そして、私はジョルジョに手を差し出した。



「おい!まだ準備は終わらないのか!?」

ドアをドンドンとノックする音が聞こえる。

「待ってって!あと、30秒!!」

翌日、私達は早速王都へ帰ることになった。

ジョルジョはというと…、

「お姉さん、まだなの?」

冷めた声がドア越しに聞こえてくる。

一緒に王都へ行くことになった!守られる存在から守れる存在になるために、師匠から剣術を習うつもりだとも言っていた。

「ちょっ、待ってってばー!」



「これからは、ちゃんと前日に用意ぐらいしておけよ。」

準備を終えて部屋から出ると、ジロッと、ゼンに睨まれる。

「しようと思ってたんだけどね?疲れて、寝ちゃってね?」

私が言うと、

「お姉さん、言い訳がましいよ…。」

ジョルジョに呆れられてしまった。

「うっ…!はい、すいませんでした…。」

こんな小さな子に呆れられるなんて、面目ないわ。

「そういえば、ジョルジョって何歳なの?」

聞いてなかったなと思い、不意に尋ねた。

見た目的には10歳ぐらいかとは思うんだけど。

「僕?13歳だよ。背は低いけど。」

ジョルジョは少し恥ずかしそうに最後の言葉を付け足した。

えっ、えっ!えーーーー!!

「私と2歳しか変わらないじゃん!」

思わず叫ぶと、

「えっ、ということはお姉さんって…。15歳!?」

今度は逆にジョルジョが叫んだ。

「見た目的に、18ぐらいかと思ってた…。」

ん?なんかショック受けてる?

というか、私ってそんなに老けて見えんのかな…。

私の方がショックなんだけど…。

でも!!

「言っとくけど、ゼンだって16歳だからね!?」

ゼンだって16歳には見えないはず!!

私が声を大にして言うと、

「それは、前にゼンさんから聞いたよ。16歳には見えないぐらい大人びてるよね。」

ジョルジョはサラッとそう言った。

なんか、私だけひどくない!?

「私は、まだ老けてないわよ!」

そう思って叫ぶと、

「老けてるとかそういう意味じゃないんだけどね…。まあいいや。」

「こいつに、何言っても無駄だから、ほっといたらいいんだよ。」

軽く2人に流された。

やっぱり、私の扱いがひどい…。

初仕事編完結です!!

次はいよいよゲーム本編に入ります!!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ジョルジョのその後の様子が気になります。 第二王子がセリスの話をゼンにしているお話も気になってます!
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