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初仕事編7

投稿、かなり遅れてしまって申し訳ありません!!

ん、眩しい…。

はっ!!

まだ、仕事が残ってる!!

そんな思いが頭をよぎり、目が覚めた。

「あれ?ここって…。」

辺りを見回すと、私が泊まっている宿の部屋だった。

確かあの時、死ぬ覚悟で飛び出して行って…。

その後、どうなったんだろ。

そんな風に考えながら、体を起こす。

すると、

ガチャッ!!

ちょうど、ゼンが部屋に入ってきた。

「起きたのか?」

ゼンが大きな怪我を負ってない事を確認してから、

「あれから、どうなったの!?」

ゼンの質問をスルーして食い気味に聞いた。

「とりあえず、落ち着け。魔獣の方はお前の一撃で討伐完了。領主の方の仕事も片付いた。」

ゼンは少し呆れた様子で答えてくれた。

「もう終わったの!?」

魔獣はまだしも、領主の方は手こずりそうだと思ってたのに。

「平民を甘く見ていたのがあの領主の間違いだったな。」

ゼンはそう言って、笑みを浮かべた。

その瞬間、背筋がゾワッとする。

絶対、なんかやったよね。

この笑みはえげつないことしたに決まってる!!

恐怖を感じながらも、

「じゃあ、もう王都に戻るの?」

そう尋ねた。

仕事も終わったわけだし、やる事もうないよね?

「ああ。お前も起きた事だしな。でも、一つする事がまだある。」

ゼンにそう言われて、私は首を傾げる。はて?

なんかあったっけ?

思い出そうと、記憶を巡らしていると、

「あっ!!」

そうよ!ジョルジョ!!ジョルジョをなんとかしないと!!

そんな私の様子を見て、

「思い出したみたいだな。ジョルジョは元第一騎士団団長、お前の師匠の孫だろう?どうするつもりだ?」

ゼンは言った。

「私はジョルジョを師匠の元へ連れて行くべきだと思う。でも、ジョルジョは貴族を嫌ってるんだよね…。」

自分も実は貴族でしたって分かったらどんな反応するんだろ…。

拒絶する可能性が高いよね。

私が表情を曇らせながら言うと、ゼンはキッパリと言った。

「でも、やる事は一つしかないだろ?この町には新しい領主が来る。暮らしもだいぶ良くなると思うが、子供のジョルジョが1人で生きていくのは難しい。」

ゼンの言う通りだ。

どんなにジョルジョが拒絶したとしても、あの子の未来を考えると一択しかない。

「よし!とりあえず、ジョルジョと話さないとね!」

ウジウジしてても時間の無駄、無駄!

私はパンと自分の頬を叩いて、気合を入れる。

「ジョルジョなら下にいる。アイツもお前に言いたい事があるらしい。結構前からいるぞ。」

私がベッドから起き上がると、ゼンが軽く下を指差しながら言った。

言いたい事?何だろ。私、何かしたっけ?

少し不思議に思いながらも、私は着ていた服に手をかけた。

すると、

「ちょっ、おまっ!!何する気だ!?」

間髪入れずにゼンが突っ込んできた。

「何って、この格好じゃ下に行けないでしょ?着替えないと。」

急に何を言い出すんだ。そう思いながら、ゼンに視線を投げかけると、

「着替えるなら、先に言え。このバカが!」

結構な暴言を吐いてゼンは外に出て行った。

「一体、何なの…。あっ!?」

私ってば、ゼンと一緒にいるのに慣れすぎて、普通に異性の前で着替えようとしてた!?

そう気づいた瞬間、顔が一気に赤くなる。

そりゃ、ゼンも怒るよね…。

私とした事が、なんということを…。

顔を真っ赤にしながらも、私は着替え始めた。

でも、この騒動のせいで、私はすぐに気付かなかった。

かなりの傷を負ったはずなのに自分の体が全くの無傷だということを。



着替え終わり、ゼンと一緒に下へと降りた。

カウンター席にジョルジョが座っているのが見える。

「ジョルジョ!」

その背中に私は声をかけた。

ジョルジョは私の声にパッと振り返って、そのまま駆けつけてきた。

そして、

「ごめんなさい、ごめんなさい!僕のせいで、怪我を負わせちゃって!!」

必死にジョルジョは私に謝ってきた。

そっか。そのことを気にしてたのか。

「お母さんの仇を討ちたかったのは分かる。でも、もう二度とあんな危ない事しないで。」

全然大丈夫だよ。と言ってあげたかったけど、これだけは言っておかないといけない。

死んでいてもおかしくないことをしたのだから。

「うん。ごめんなさい。」

ジョルジョはシュンと項垂れる。

「それよりも、私もジョルジョに話したい事があるんだけどいい?」

そんなジョルジョの肩を軽くポンと叩いて、私は言った。

「話したい事?」

「うん。そう。」

私は鈍い笑みを浮かべる。

そして、私達はカウンター席に腰をかけた。



「ジョルジョ、真剣に聞いてほしいんだけど。」

私はそう切り出した。

「うん。」

無邪気に返事をするジョルジョに、今から話す内容を聞かせることにどうしても尻込みしてしまう。

ちゃんと、傷つけないように話せるかな。

そう思って、チラッとゼンの方を見ると軽く頷いてくれた。

何故か、その動作で話す勇気が出る。

「あのね…。」

少し、短めで…すいません…!

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