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始まり

やっと、ゲームの始まりが見え始めます!

「お嬢様!!必要なものは全て持ちましたか?」

「お嬢様はどこかぬけてますからね。本当に大丈夫です?」

時が経つというのは早く、私は14才になっていた。

「失礼ね。私はぬけてませんー!」

私はすかさず、フィンの嫌味にそう返した。

今日は、騎士団の入団試験の日。

「まあ、そういうことにしておきましょう。で、持っていく物は何です?」

「その言い方、腹立つけど!えっと、剣と書類。」

フィンの言葉に腹を立てながらも、一応、素直に答えた。

フィンは、

「それくらいなら、大丈夫ですね。まあ、お嬢様ならいけます。頑張ってください。」

軽い口調で言って、笑った。

そんなフィンを押しのけて、

「お嬢様、その服装とてもよくお似合いです。成人した女性に見えます!」

ユラはそう言った。

そう。この動きやすい服はユラが作ってくれた。

普段の稽古で着てる服もユラが作ってくれてたんだけど、今日のために新しく作ってくれた。

「ユラが服を作ってくれたからじゃない?本当にありがとう!!」

私はユラに今までの感謝の気持ちも込めて、お礼を言った。

「でも、成人は言い過ぎじゃない?成人まで後4年もあるんだけど。」

と、付け足して。

でも、よかった。セリスティアって本当に元は美人じゃん!!

黒髪はストレートで綺麗だし、紫の目も二重でぱっちり。顔立ちもかなり整ってる。

これは、ゲームの制作者に文句を言わないといけないレベル!!

成長したら、ブスになるかなと思ったけど大丈夫だった。

でも、成人は言い過ぎの気がする。

「お嬢様が美人だからですよ。いえいえ!とても、大人びてらっしゃいますから、18と言っても信じる人が多いと思います!」

それでも、ユラは私をべた褒めしてくれた。

本当にユラは優しくて可愛くて、私に甘い。

「いやいや、お嬢様はまだ子供にしか見えな…。」

フィンはユラにきつく睨まれ、最後まで言えなかった。

フィンはいつも、口を滑らしてはユラに怒られたり、睨まれたりしている。

時に、私も参加してるけど。

「とにかく、そろそろ行くね!」

そんな仲の良い?2人に向かって私は手を振った。

「はい。いってらっしゃいませ。」

「頑張ってくださいね。あんまり、心配してないですけど。」

2人に見送られながら、私は城へと向かった。



いや、本当に時が経つのって早いな。

だって、ゲームが始まるまであと半年だよ!半年!!

つまり、ヒロインと対面するのも半年後。

転生者じゃなければいいけど…。私がここにいる以上、可能性はあるんだよね。

でも!!

私はその対策として今まで頑張ってきたんだから。

今日は絶対に受からないと!!



そんな事を考えているうちに城へと着いた。

実は、イーディス侯爵家と城は結構近い。

歩いて30分ぐらいの距離にある。

もし、めっちゃ遠かったら早く家出ないといけなかったから結構ラッキー!

受付に着くと、

「書類を提出してください。」

と言われたから、書類を出して中に入った。



城を見た瞬間私は思った。

侯爵家もかなりデカいと思ったけど、比較する対象にもならない。

デカすぎるでしょ!!この城!!

あれだよ、あれ!!

前世でいう、イギリスの城みたい。

いつまでも見ていられそうだったけど、時間がやばいから進み始めた。

迷うことなく、試験会場へとつき、何か並んでる様子だったから一番後ろに並んだ。

そして前の人に

「これって何の列ですか?」

と聞いた。

すると、前の人が振り返った。

ただ、見た瞬間びっくりした。すごいイケメンなんだもん!

黒髪の黒目で、一見目立たない感じだけど驚くほど整った顔立ち。

その上、高身長。

めっちゃ、タイプだと思った。

でも、男性なのに私より綺麗な顔立ちしてて、正直イラッとする気持ちの方が強くて、顔をしかめてしまった。

「何の列か知らずに並ぶって、もしかしてあんたバカ?」

そして、そのタイプだと思った気持ちもその一言で崩れさった。

私の中では口の悪い人はNGです!!

「なっ。バカではない!!」

私が言い返すと、

「いや、バカだろ。この列は誰と対戦するかっていう書類もらうんだよ。確認してから並べよな。」

正論をズバズバ言われ、私の残りのHP30未満…。

「はいはい。すいませんでしたよ。ありがとうございました!!」

私は一応、お礼をすると、その人はすぐに前を向いた。

私が悪いよ。私が完全に悪いけど!!なんか、腹立つ…。



私の番がきて、書類をもらった。

そして中身を見ると、3人と対戦するらしく、1人目の名前にアルフレッド・モンフォールと書いてあった。

確か、この名前は…。

モンフォール侯爵家の嫡男でゲームの攻略対象!

そういえば、ヒロインよりも3才年上で騎士団に所属していたんだった…。

忘れてたよ。どうしよ…。

私がすごくゲンナリとした様子で書類を見ていると、

「ああ。アルフレッドが相手か。あんたも運が悪いね。でも、他の2人に勝てばいいから。」

と、受付の人が慰めてくれた。

私は強いからとかじゃなく、攻略対象だから落ち込んでたんだけどね。

まあいいか。アルフレッドの時は、私はあんまりゲームに関わってなかったし。

王太子とか第二王子とかに関わるよりマシ!!

私は思考をポジティブに切り替え、試験の順番を待つことにした。


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