1話 『自分の事』
入院したのは2度目だ、最初は保育園の頃、確か4~3歳の頃
田舎故に、近所でゴミを燃やす人はいる
当時は入院した意味を知らなかったが
どうやら自分は悪い空気を吸ってしまっていたらしい
昼寝が嫌いな頃だったから、周りの入院している子供がぐっすり寝るのが意味わかんなかった(保育園でもボーッとしてたし)
家族には心配をかけてしまった
「明日の朝、御家族がいらっしゃいますよ
退院も近いですからね」
「分かりました」
ここは何処だろうと考えていて、目が覚めたときにいたナースさんが回復したのを見計らって教えてくれた
母方の叔母だったか伯母だったかが通っていた病院だ
……いや、母方の兄の娘だったか??あれ、あの人何歳だか……めんどくせ
そもそも家族はすぐにこれない
と言うのも、俺が眠いのと真夜中だからだ
起きた時、お腹が空いて簡単なゼリーとかを渡されたが意外とふくれた
個室の電気をナースさんが消してくれるのを見計らって、寝る振りをした
『……解
ハナシは出来ますか?』
「……まさか勇者の能力ごとあるとはな
お前、なんなんだ?向こうには無かったよな」
『解、私は貴方のスキルです』
「……俺のステータスを表示して」
『時間が掛かりますガヨろしいですか』
「ん」
……ここは自分が倒れて一年経ったようだ
俺は向こう、そう『異世界』で勇者として召喚された
向こうではこんな喋るスキルは無かったけど
異世界転生とか転移とか、そんなのは認識していた
それにモンスターもよく出ていた
在り来たりな話
『魔王を討伐しろ、討伐すれば帰れるかもしれません』
全く信じていなかった
まぁ、オタクとして魔法や剣がすぐに使えたのは良かった、何より刀や日本食もある
……けれど、当たり前だが漫画は無かったしなによりホームシックになった
いくら転移したとはいえ、オタク思考は止められなかった
イライラした
モンスターを討伐し、そのイライラを解消させていった一年
夢の中で神が依頼をした
『腐りきった世界だが、魔王を倒せば必ず元の世界に戻す
今貴方用の武器と装備を……』
目が覚めると色んな形に変わるお面と、新撰組のような服が枕元においてあった
被害は尋常じゃない
いい貴族だけを助け、弱いやつから助けた
ぶっちゃけ、王族はあまり助けなかった
時間が空いたときにこの国の文化を見ると召喚者は今回の俺だけらしい
神官が神からの言葉を信じ、とにかく作り上げたのだろう
もっとも王族は急かして魔王討伐を依頼していたが
三年目、魔王を倒した
疲れたもういやだ帰りたい
頭のなかでそれだけが残った
仲間のパーティーはそれを狙って俺の命を狩ろうとしたが流石は勇者ステータス
すべて弾いた
神からの声が聞こえた
もっとも何を言っていたか分からないが
体が軽くなって光に包まれ見えなくなったのは覚えている
まぁ、向こうで男の子だが弟子が出来たし、神にはその子の加護になってくれるだろう
何度か話しかけてきた時に防具もすべて弟子にと言ってやった
まぁ、何もないよりは良いかも知れない
けれど弟子にすべて押し付けたのは何だか心残りでもあったが、神様相手に下手なことをする国は滅べばいいのでなんとかなるだろう
『解、表示します』
ー
名前 クジラ キョウカ
体力 現在不明
能力 声 FPS 身体強化 自己再生 【自動戦闘状態】
ー
「……もしかして体力不明ってこっちでは寝てたから?」
『解、そうユウことです』
「作用ですか」
なにこの某建国チートスライムみたいなの優秀
まぁ、声は昔みたゲーム実況のロボットAIみたいな男性寄りの声だけど
「ザモークってなに、今使えないけど何時かは使えるみたいな?」
『そうデす』
「君、名前ないの?」
『解、あリません
貴方のスキルであり貴方でス』
「……。」
さすがにスライム見たいなのは止めるか
「そう言えば言葉って検索(?)出来たりする?」
『できマセん』
っすよねぇ
……。
「眠いし、もう少し回復してからでいー?
頭いたいわ」
『了解しまシた』