#5
「広さは十分かな」
三人が宿泊していた宿り木亭の中庭は建物に囲まれた吹き抜けになっており、二階部分より上にはロープが張られ、所狭しと干されたシーツが揺れている。端にある洗濯場の周囲は石で舗装されていたが、それ以外の部分は土がむき出しで木がいくつか植えられていていた。テーブルも二組ほど置いてあるが、今は誰も使っていないようだ。
それほど広い空間では無いが、シーツも高い位置に干されているので槍を振り回すくらいは問題なさそうだった。
「ま、俺からやるか。さて何がいいか…」
仁が庭の中央付近に向かって歩きながら何をするか考えている。他の四人は庭の入り口付近、少し離れた所に立っている。
そこで何かに気がついたようにステラが質問する。
「そういえば、ジン様は何も持ってないようですが、獲物を取りに行かなくていいんですか?」
仁は黒い皮グローブをはめた両手を軽く上げて答える。
「ん?ああ、俺は無手なんだ」
「……え?」
「はぁ?」
仁の何気ない返事に驚くステラと呆れるタチアナ。
「えと…それでどうやって竜とか大型の動物を相手にするんです?」
「どうやってって、殴る?」
シュッシュッと軽く殴るようなポーズを取る。
「…いえ、父様を含めて、うちで抱えている狩猟者にも何人か武器を使って狩りをする人は居ますが、無手なんて聞いたことがないですよ?」
「そうか?俺は何人か知ってるが。少ないのは確かだなぁ」
「いくら気を使って体を強化出来るとは言え、素手で殴って倒せるものなんでしょうか…」
「街の外だったらその辺の物を殴るんだが、ここで何か壊すとやっかいだしな…そうだな、愛莉珠と久しぶりに組み稽古でもするか」
「私は構いませんが…それでいいですか?」
愛莉珠に問われたステラは、これから起こる事に期待したのかゴクリを唾を飲み込んでから答えた。
「え…ええ。問題ないです」
「軽く行くか」
「はい」
そう言って愛莉珠は仁と正対する位置まで進み、槍を垂直に立てて持ち、両手は脇に下げたまま二人そろって礼をする。
礼の後、仁は右手を前にして半身で軽く構える。愛莉珠も半身だが、両腕を下げた状態で左手を前に槍をほぼ水平に両手で持ち、やや左斜めになるよう斜交いに構える。穂先の覆いは着けたままで、反りも無いので刃の向きはわからない。
ステラとタチアナが緊張で体を堅くして凝視する中、二人とも自然体のまま数瞬の時が過ぎる。
── カンッ
軽い音がしたと思うと仁が一歩踏み出して右手で槍を右方向に払っていた。そのまま前に進み左拳で体が開いた愛莉珠の正中を打とうとする。槍を左に弾かれた愛莉珠は、流れに逆らう事無く左回転し、前に出てきた仁を石突きで殴打しようとする ── が、仁も予想していたのか余裕を持って一旦引き、二人とも再度正対する構えを取る。動きを止めると、動きに合わせて拡がっていたジュストコールとスカートの裾がふわりと落ちていく。
「早いっ!」
ステラが驚きの声を上げる中、仁達は組み手を続ける。
「少し上げていくぞ?」
「ご遠慮なく」
返事の言葉が終わるかという時には、仁はすでに身を低くして前進を始めていた。仁は水平に構えられた槍の下をくぐるように身をかがめ、愛莉珠の足下に右足の蹴りを放とうとする。
だが、愛莉珠も仁の右側に回り込むような足裁きで蹴りを躱すと、左右の手首の返しだけで左下方の低い位置に居る仁を狙った。
仁は足払いの格好のままさらに身を低くして右回転して槍の左側に抜け、愛莉珠に肉薄し ──ガッ── っと鈍い音がしたと思うと、仁は吹き飛ばされていた。仁は少し離れた位置に立っており、両手を前に出して何かを受け止めた体勢だ。その時、すでに愛莉珠は半身を引いた中段、最初と同じ構えを取って静かに立っていた。
「凄い!動きが全然見えない!」
「最後は石突きでジン様を突き飛ばしたようでしたね。よく見えませんでしたが…」
ステラは興奮した様子で食い入るようにみている。
「相変わらず兄様は下から攻めるのがお好きなようですね」
「愛莉珠は下からの攻めに弱いからな」
「あんた達、微妙に会話がやらしいわよ…」
「…!?」
一旦動きをとめて会話していた二人にオルテンシアが口を挟むと、顔を赤くした愛莉珠の動きが一瞬止まる。
その一瞬を逃さず、仁は左拳で下から槍を上方に大きく叩いて跳ね上げると、槍につられて上体を反らした愛莉珠に肉薄して右拳でみぞおちを打ち据える ── が、これも上手く槍の柄で止められてしまう。
仁はそのまま離れること無く、立てられた槍の穂先側 ──向かって右側── に回り込むように体勢を低くし体を左向きに回転させながら、靠を放とうというのか体が接触する位の距離で愛莉珠の右後方に回り込もうとする。愛莉珠も素早い足裁きで後ろに回り込もうとする仁を右方向に回転して避け、仁の方に振り返りつつ横薙ぎを放つ。仁も反撃を一旦諦めたのか、飛び下がって槍を避けた。
飛び下がった仁は何故か両手を揃えて上に上げており、それを見て愛莉珠は一瞬訝しげな表情をする。だが、後頭部あたりに感じる布の感触と足下に感じる妙に冷たい風を認識し ──
「残念、ドロワーズか」
「○×△□!!!??」
愛莉珠は表現出来ない声を上げながら、ふわりと大きく捲れ上がっていた長いスカートを抑えてその場にペタンと座り込んだ。
「うし、一本」
「っ──!?──っ!!!」
座り込んだ愛莉珠の頭にチョップを入れながら言う仁。愛莉珠は顔を真っ赤にして抗議の声をあげようとするが、怒りのあまりか声が出ていない。
「うわ~~、無いわ~~~」
「最低ですね」
見物していた女性陣二人がそれぞれの感想を述べる。
座り込んだまま動けない愛莉珠を放置して仁は3人の元へ歩いてくると、ステラに結果を確認する。
「今ので俺たちの実力は分かって貰えたかな?」
「えーっと…」
「あんたの性格はよく分かったと思うけど」
「どういう意味だよそれ」
「はぁぁ~~~、自覚がないって恐ろしいわよね」
「そ・れ・は、お互い様だと思うんだがなぁ?」
「はぁ?」
次は仁とオルテンシアはお互い半眼になった顔を近づけ、ガンの飛ばし合いを始める。そんな二人にステラは慌てて話に割って入る。
「え、えーとですね。僕にはとても二人の動きは目に追えなかったので実力は凄いと思うのですが、やはり素手と槍で竜種にダメージを与えられるかが…」
「……にい…さま…」
ステラの言葉を割るように、地獄の底から響くような声が聞こえる。
「そうか~。やっぱり何か威力を見せられるような場所に移動しないと駄目そうだ。じゃあ行こうかステラ?」
「へっ!?僕ですか?いや、まあ場所の移動はいいのですが…」
恐る恐るといった感じでチラっと愛莉珠の方を見るステラ。
「そうか?それなら一旦広場か街の外──へっ?」
返事をしていた仁の襟首が後ろへぐっと引っ張られ、後ろ向きに倒れそうになる。
「兄様、少し二人だけでお話をしたいのですが」
相変わらず恐ろしげな声で話しかける愛莉珠は、怒りか恥じらいか、どちらか分からないが顔を赤くしたまま目を閉じ、深い皺を刻みこむ綺麗な眉をピクピクと痙攣させながら仁の襟首を掴んでいる。
「いや、すまん愛莉珠。今ちょっとステラと大事な話をだな──」
「大丈夫ですよ、お時間は取らせませんから」
そう言った愛莉珠は返事を待たずに仁の襟首をひっぱり、引きずるように母屋の方へ引っ張っていく。
「おいっ、ちょっと待った!いや待って下さい!ちゃんと謝るから!」
「いってらっしゃ~~い」
無言の愛莉珠にズルズルと引きずられ、母屋の方に消えていく仁を呆れて見つめる二人と、笑顔で手を振る一人。完全に二人が見えなくなってから、オルテンシアが元気よくステラの方を振り返って切り出した。
「さ~て、それじゃ次は私の番ね!」
「いや、もうなんか疲れたのでいいです…」
「えっ~~!?なんでよ~~~~!!」
「ぎゃあ~~~」
不満げなオルテンシアの声と、仁の悲鳴が中庭に重なり響き渡った。
・
ステラ達の方に振り返りながら仁は口をひらく。
「ま、こんなもんかな」
ここは街の南側の外れ、朽ちた古い石造りの建物が点在している草原だ。そこにある倒れそうな石柱の一部に新たな破壊痕が刻まれていた。仁は自慢げにニヤリと笑みを浮かべるが、その左頬は赤紅色の手形が刻まれている。
「これは……すごい、凄いですよジン様…」
ステラが驚きの声をあげ、仁の手をとってぶんぶんと降り出す。
「どうやったら素手であんなことができるんでしょう?」
今度は仁の腕をベタベタとさわって確認しだす。絶句したのか何も言えなかったタチアナががハッとして声をあげた。
「いえ、何かおかしいでしょう?どうやったら素手でこんな太さの石柱が折れるんですか!?」
「まあ父様も気を使ってこのくらいの柱は切ってしまいますが、素手で似たような威力をだすなんて…」
仁が殴り折って見せた石柱は直径60㎝程度の円柱だった。
「もちろん俺も気を使ってるが、あとは修練の賜だな。これで竜種も余裕って分かっただろ?」
「はい。気使いが銃持ちより強いのは知っていましたが、ここまでの使い手とは…さすがです」
「ですが、ここまで強い方だと…」
ステラは賞賛していたが、タチアナはなにか別のことを考え始める。
「じゃあ、次はやっと私の番ね!」
「あんまり迷惑な魔法は使うなよ」
そう言って仁王立ちするオルテンシアに釘を刺す仁。
「分かってるわよ。そうね…」
獲物を探すように、手を目の上にかかげてキョロキョロと周囲を見回してから、崩れ落ちた石造りの祠のような物を指差す。50mほど離れていて、大きさは小さな小屋くらいだ。
「あれ!あれを吹き飛ばす!」
「へ…?」
「はぁ?」
「シアさん、こちらに破片が飛んでこないようにお願いしますよ」
「分かってるって」
展開について行けないステラとタチアナを後目にして、オルテンシアは数歩前に出ると腰の球状の飾りを左手に一つ持ち、引っ張り上げて胸の高さで前に突き出す。球は小さい金属鎖で腰に繋がったままで、鎖が延びる仕組みになっているようだ。
軽く目を閉じ、しばらく集中するようなそぶりで立っていると、左手に持った石がうっすらと赤い光を発し始めた。固唾を飲んで見守るステラとタチアナの方を再度横目で確認したオルテンシアは、祠の方に向き直る。
『穏やかにて激しい炎よ──』
周囲が熱せられたように感じ、その熱が祠の方に向かっていく。
『爆ぜよっ!』
ズド ──────── ン!という大きな爆発音と共に祠の周囲で爆発が起こり、ステラ達のほうにも熱波と土埃が押し寄せ、見ていた者達はあわてて顔を庇う。
「つっぷ…」
「また派手にやったなぁ」
地面が湿っていたのかあまり砂煙は上がらず、すぐ視界が晴れた。そこに見えたのは、熱波で焦げたむき出しの地面と、吹き飛ばされた大きな石材がバラバラに転がり跡形も無くなった祠の残骸だった。
「これもまた…宮廷魔術師並みの威力ですね」
「やっぱり凄いです!オルテンシア様!これだけの魔術を使えるのは国内でも数えるほしかいませんよ!」
「ふふーん、当たり前じゃない」
オルテンシアはくるりと振り返り、タチアナとステラの賞賛に機嫌良く答えた。握っていた球は、手を離すと元の位置にスルスルと戻っていく。
「先ほどの呪文の様な物、知らない言語でした」
「あれは、人間の間で神聖語って言われてる神の言語よ」
「…と言うことは、先ほど呪物のような物を使っているように見えましたので、神聖文字魔法というやつですか…始めて見ました」
「よく知ってるわね」
「タチアナに教えて貰ってるので…」
そう言ったステラは恥ずかしそうにタチアナの方を見ると、タチアナは優しい微笑を返す。
「さて、最後は私ですか。シアさんが派手だったので私は地味に行きますね」
「お願いします!」
「もう十分な気もしますが…」
また凄い物が見られるとワクワクするステラに対して、タチアナは少しうんざりした感じの表情だ。
愛莉珠は苦笑したが、やめるつもりはないのか、仁がへし折った柱の前に立ち右手だけで槍を持つと、穂先は後ろ、石突きを前にして脇に抱えるようにし、軽く腰を落として構えた。柱は傾いてた状態で立っていて、すでに130㎝ほどの高さで折られている。
── フッ!
勢いよく息を吐き出すと同時に槍を前に突き出すと、音も無く槍が柱に食い込んだように見え、反対側からは何かが飛んでいった。それは20mほど飛び、地面に転がった。
「??」
「…何したの?」
なにが起こったかよく分からないステラとタチアナ、オルテンシアは困惑気味だ。
愛莉珠はすっと槍を引き抜いた。
「こっちに来て見て下さい」
近づいた三人が見たのは、綺麗な丸い穴が開いた円柱だった。
「なにこれ…」
「すごい!穴から反対側が見えますよ」
「いや、これはまた…普通に壊されるより驚きですね」
穴は直径4㎝ほどで、長さ60㎝ほどの円柱を綺麗にくりぬいて開けたように見える。
不思議な技をさらっとやってのけた愛莉珠に、ステラは興奮して話し出す。
「すごいですよ三人とも!」
興奮したステラはさらに続ける。
「これなら狩りも余裕でしょう。むしろ僕の出番なんてないくらいだ!」
「いえ、残念ですが、むしろそこが問題になってきました」
タチアナが言った言葉に驚くステラ。数拍の沈黙の後、仁が問いかける。
「強いとなにか問題があるのか?」
「ええ、先ほどから考えていたのですが、お三方が強すぎてこのままでは若様の出番は無いでしょう。通常の狩りであればそれで問題も無いのですが、今回は試験を兼ねていますので…」
「全く何もせずにハイ合格。って訳にはいかないのか…ハッ!?もしや今更おっぱい揉まれるのが嫌になってそんな言い訳を!」
「違います!!」
「タチアナ、おっぱいって?」
「何でもありません!」
顔を赤くして叫ぶタチアナはぴしゃりと言い張りステラを黙らせる。
「私も若様には早く一人前になって頂きたいですが、流石に何もしないではい合格。というのは…親方様になんと報告していいやら」
「そこはほら、上手いことタチアナさんが言ってくれれば──」
「駄目です」
取り付く島もないタチアナに仁は愕然とした。
「そ…それじゃあ、この話は無かったって事に…?いや、俺は諦めん。あのおっぱいをあきらめんぞ!」
「さっきから仁が言ってるおっぱいってなによ?」
「知りません。兄様に聞いて下さいっ」
ブツブツと考え事を始める仁を横目にオルテンシアがコソコソと愛莉珠に聞くと、愛莉珠はプイッとすねたように横を向いた。
「あー、アレかぁ…」
オルテンシアは予想がついたのか、タチアナの立派な胸を見る。自分の胸と大きさを比較しようと、自分の胸を軽く揉んで確かめる。
「まあ、すごくおっきいわよね。四倍くらいのボリューム感?」
「…シアさん、その話はここまでで…」
下を向いて呟く愛莉珠の表情は見えない。
「そこでですね仁さん、一つご提案なのですが」
「何っ?何か名案がっ?」
悩んでいる仁にタチアナが話を切り出すと、勢いよく振り向いた。
「あなた方三名だけではなく、しっかりと若様を入れた四人で協力して狩りをするのであれば問題はありません。若様がとどめを刺すようであればなお良しです」
それを聞いた仁は素早くタチアナに近づいて両手を取ると、感謝の言葉を述べる。
「ありがとうタチアナさん!それでいこう!俺、おっぱいの為にがんばるよ!」
「いえ、胸の話ははもう良いですから…若様も、それでよろしいですか?」
ステラはタチアナの手を握る仁を見て少し妬ましい表情をしていたが、表情を取り繕って話す。
「ええ、構いません。確かに試験だから…何もしないっていうのは問題あると思うし…それに、最初から他人に任せっきりていうのも情けないです。がんばります!」
「あーん、健気なステラ君もかわいい~」
「それよりっ、そろそろタチアナから離れて下さい」
ステラはそう言って仁の手を取り、タチアナから引き離す。
「おやぁ、ステラ君やきもちかぁ?お年ごろだねえ」
「ちっ、違いますっ。ほら、話の続きは街に帰りながらしましょう」
そう言い、仁の手を引いたままステラは街のほうに歩き出した。
「ステラ…」
「なんですかジン様?」
「いや、手…」
「あ…駄目…ですか?」
捨てられた子犬のような、今にも泣き出しそうな表情で下から仁を見上げるステラ。
「なんつーか、歩きにくいんだが」
「そう…ですか。残念です」
ステラは仁の手を離すと、トボトボと歩き出す。そんなステラを忌々しげに見つめている事に気がついた仁は近づいて小声で話しかける。
「俺…なんか悪いことしたか?」
「いえ、大丈夫です。問題ありません」
そう言ったタチアナは、前を歩くステラの側まで小走りで近づき一緒に歩き出す。三人は遅れて歩き出し、少し離れた距離を保っている。
「もしかして、ステラってあっちのほう?」
「ちょっと…いえ、結構変でしたよね」
「さあね~、もしステラ君がそっちの方でも、まあそれはそれで…」
「俺はやだよそんなの。俺はノーマルなの!だがまあ何にせよ、仕事は受けられるようで何よりだ」
一安心という感じで言う仁に、思い出したというようにオルテンシアが顔を向け話し出す。
「そういえば、あのおっぱいって何よ?」
「へ?おっぱい?そんな事言ったっけ俺?」
慌てて顔をそらす仁。
「すごい連呼してたわよ。どーせまたエッチな事なんでしょうけど」
「いや違うんだよシア、実はあれは──」
プイと横を向くオルテンシアに必死に弁明している仁。少し後ろを歩きながら、愛莉珠はそんな二人を微笑ましそうに見ている。
ふと思い出したように愛莉珠は空を見上げた。午後遅い時間だが、まだ空は青々としており、大きな鳥が何匹か円を描くように飛んでいる。
「おい、愛莉珠。置いてくぞ」
「遅いわよー」
空を見ていた時間が思いのほか長かったのか、二人との距離が少し開いてしまっている。
愛莉珠は少し苦笑してから、笑顔で駆け出して二人に追いつくと、今度は三人並び、街に向かって歩いて行った。