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第一章 魚に似たやつら
ゾンビたちの勝ちだった。
世界は彼らに征服されつつあった。
我々15人は、スーパー・マケットの
二階に隠れていた。
食料だけなら、半年分はある。
ゾンビは、人間というより、なにか、「魚」に似ていた。
魚?
顔がのっぺりしていて、真ん中がとびだして、両目が
大きく丸く、両側に離れていた。
動きは、ゆっくりではなく、水の中の魚のように、
すばしこかった。
1匹が、1人を襲撃すると、つぎつぎに襲いかかり、
あっという間に、骨にしてしまう。
その骨から、小さな、あいつ等に似た化け物が、湧き出る
ように現れ、増えていく。
一度、外から、女が入ってきたことがあった。
それは、急に苦しみだして、腹から、つぎつぎと、
小さな、あいつらが出てきた。
必死で、ひとつ残らず、踏み殺した。