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第24話「魔法学園・後処理の為に」

「どうしました?勇者、アーヤ・コラプサー?」


 疑似魔導生命体は回収した。ならば、次に現れたラヴィアナと名乗る女性も疑似魔導生命体である可能性が高い。しかし、ここで戦闘を仕掛けるにはこちらとしても不味い。


「・・・そんなに見つめても、何も出ませんよ?」


「何故?」


 聞きたいことは多々あるが、言葉にするには危険すぎる。魔族の、魔王の関係者なら、何があってもおかしくない。


「私に話せることならばお話いたします。ですので、誰にも邪魔されない場所へ案内していただけませんか?」


 言葉を紡ぎながら、ゆっくりと歩き出す。


「・・・信用できませんね・・・」


「もちろん、今の時点で信用されるとは思っておりません。ですので、この言葉を『異界の来訪者様』」


 耳元でそっと囁く。


「・・・」


 ため息を吐き、緊張を解く。来訪者ということは勇者召喚に関して何か知っているはずだが、自分一人では対処しきれない。クロードがいればよかったが、治療しないことにはどうしようも出来ない。時間が欲しいが・・・。


「クロードの治療が先ですよ」


 カウンターに向き合い、モナに歌姫の迷宮付近の現状を伝える。現状では何があるのかわからないので出来るだけ人は立ち入らせたくない。モナもすぐに理解してくれて調査をしてからいいだろうと、上に話はしておいてくれるとすんなり決まった。


「私がクロードの治療を」


「お断りします」


「何故ですか!」


 彼女が声を荒げると、ギルド内で騒いでいた人間が彼女の視線を向ける。


「・・・あ、いや、・・・すいません」


「痴情のもつれかー?」「ちょっと見た目がいいからって」「すきだねー」「また、女か」「またはべらしてんの」「ちょっとどころか全部負けてるだろ」「あいつばっかり」「うるせぇよ」「なかなかの美人だが」「お手付きかよ」


「とにかく、クロードの治療はあなたに任せるわけにはいきません」


「これは、解毒剤です。確かめてください」


 スカートの下から小瓶を取り出してカウンターに置く。


「・・・」


「どうしました?」


「どうもこうも、問題しかない気がするんだが・・・」


「?」


「いや、いきなりスカートの中からそんなの出されても・・・パンツにしまってたんですか?できれば触りたくないんですが」


「なっ!」


 顔を赤らめて拳を振るわせ、深呼吸してこちらを見据える。


「・・・変態」


「いや、だってそんなの触りたくないでしょう?」


「・・・スカートの内ポケットにしまってましたよ」


 ・・・。


「・・・そ、それに、美少女のパンツの中ならご褒美でしょう?」


「あー、あんた、変態なの?」


「く・・・そこまでして、話がしたくないと・・・?」


「ええ、信用できませんし。あなたとクロードは知り合いかもしれませんが、僕はあなたを知りません」


「・・・お嬢様に確認をとってもらうにも、危険という理由で会わせないでしょう?」


「よくわかっている、じゃないですか」


「・・・埒があきませんね」


「ええ、こちらはあなたを追っ払う気ですので」


「・・・」


「貴女は胡散臭すぎる。今更クロードの知り合いが突然生きてました。重要な情報を持ってます。疑う余地しかありませんよ」


「・・・はぁ、わかりました。では、後日」


 通り過ぎようとして、拳をこちらに向けてくる。力は対して入っておらず、何をしたいのか。一応受け止める。


「酷いっ!私の体だけが、目当」


「だあぁっ」


「うぐぅうううううう」


 口をふさぎかえてギルドから逃走。


「おまっ、いきなり何言いだしてやがる」


「ふふ、既成事実を作れば男はこちらの話を聞かざるおえないって言ってました」


「使い方違うのと使うタイミング最悪なのと、教えた奴ぶん殴りたい気持ちでいっぱいですね!」


「教えたのはあなたが倒した人です」


「あー、どうすんだよ・・・」


「素直に話を聞ければいいだけの話ですよ?」


「はぁ、僕一人で判断できないから時間が欲しかったんですけどね?」


「なら、そういえばいいじゃないですか」


「交渉で弱点さらすのは愚策でしょう」


「まぁ、お蔭で新たな弱点が捏造されたわけですが」


「・・・クロードの評価像と乖離が酷いんだが」


「え、ええ?クロードはなんと言っていましたか?」


 体をくねらせながら顔を赤らめて聞いてくる。


「・・・動くな抱えにくい。クロード治療終わるまでおとなしくしててくれよ」


「だから治療は私が」


「なんであんたにやらせるとおもったんだよ?」


「・・・同僚ですし」


「元だろ・・・」


 あれだ、クロードは変態女に一日中ストーキングされて大変ってことだな、うん。


「何かよくないことぉぉぉぉぉ」


 インビジブルで姿を隠し、シールドを展開し空中を走る。口を開かせるとろくなことを言わないし、漫才をしている時間も惜しい。


「・・・学園の敷地内に、僕が訓練する際に使用させてもらっている場所があります。そこでしばらくおとなしくしておいてくださいね?」


 学園の敷地でもはずれの方にある訓練場に降りる。


「・・・き、気持ち悪いですぅ」


「自業自得ですね」


「人を、抱え、て飛び、回る、非、常識に、い、言われれたとか・・・」


「・・・飲み物とか用意してくるので、くれぐれも、くれぐれもおとなしくしていてくださいね?」


「・・・う、うごけません・・・」


 テーブルに寝かせて学園の方へ向かう。影鬼たちにクロードは運ばせているが、一応、確認と連絡を。


 部屋に戻る前に、シルキーに訓練場の方に飲み物を持って行ってくれるように頼んでおく。


「・・・すいません、お嬢、言いですか?」


 部屋でコートを脱ぎ、服を変えてから、シェリスお嬢様の部屋に。クロードの状態とラヴィアナの事を聞いておく。


「あら、アーヤさんが来るなんて珍しいですね・・・?」


 休憩中だったのか、椅子に座るお嬢様、テーブルにはクッキーと飲み物が置かれている。


「すいません、クロードの事で」


「これですね?」


「・・・既に、ご存知でしたか」


「ええ」


 買い物に出ていたシルキーから既に魔王討伐の情報は入っていたらしい。


「クロードの容体は?」


「魔力枯渇が主な原因ですね、外傷は大きくない見たいです」


「そう、よかった」


「・・・他の問題があります」


「・・・直接来る、ということは、重要な件でしょうね」


「ラヴィアナ」


 シェリスお嬢様は明らかな動揺を見せ、カップを落とす。


「その、名前は、クロードから?」


「いえ、本人だと」


「よかった・・・、生きていたのね・・・」


「無事を喜ぶということは、信用できる相手だと?」


「・・・まぁ。・・・ところで、アーヤ、あなたの印象ではどんな感じかしらね?」


「・・・・・・言っていいのかな・・・?」


「言ってください」


「残念が服着て歩いているようですね。あと、クロードの傷をやたら治療したがってましたし」


「ええ、たしか、アーヤの言葉では腐っている。といったかしら?男性同士の愛にすごくのめり込んでて・・・」


「・・・よし、あわなかったことにして、帰ってもらおう」


「来てるのですか?」


「訓練場でのびてます」


「何をしたんですか?」


「腐って喪女子的な事言いだしたんで少し脳を振ってみた程度ですよ」


「普通の人間は脳を振られたら吐きますよ」


「ええ、吐いてました」


「・・・ここはラヴィアナに同情するべきか、ラヴィアナに付き合わされたアーヤさんに同情するべきか」


「彼女の場合、自業自得ですし、そのパピルスの作者、彼女ですよ?」


「はい?」


「ですから、僕とクロードが勇者だという偽りは彼女が流したものです」


「・・・いや、偽りでないですよね?」

ラヴィアナ「勇者は神器を所持してないと勇者と認められないのでこれを」

アーヤ「剣苦手なんですが」

ラヴァイナ「勇者なのに!?」

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