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第22話「歌姫の迷宮近郊・魔族」

1日30分心がけてますが、途中で寝落ちするわで泣きそうorz

『アイスバレット』


 氷弾を撒き散らし、森の表情を変えて行く。


「おいおい環境破壊も甚だしいな!」


 男は氷弾はかわしながら笑みを浮かべる。


 体術、剣術、魔法。どれをとっても男の方が上。


「ハルピリア!」


 怒りに我を忘れかけた中で、悲鳴のようにハルピリアの名を呼ぶ声だけが耳に届く。


『ブリザード』


 氷弾では男に当たらないために、空間ごと凍らそうと凍える風を吹かせるものの男はあっさりと距離をとる。


「おっと、それは距離を取らなければならんな!」


 嬉しそうに叫ぶ男を無視して、戻る。男は追撃をせずにこちらを見ているだけ。


 男を追い闇雲に進んでいたが、アーヤの魔力を探れば何処にいるか直ぐにわかる。


 アーヤの元にたどり着くと、口から血を流したアーヤと服の胸元が破られ胸から出血をしているハルピリアが。

 アーヤに抱き抱えられているハルピリアの顔色は悪く苦しそうだ。


「何があったのですか?」


「ど、毒が、毒が、僕では、解毒、出来ない、出来ないんだ…」


 成る程、アーヤの魔法でも解毒出来ないとなれば、かなり危険な毒だ。だが、学園なら解毒出来るかもしれない。


「アーヤ、シルキーたちなら、誰か解毒出来るかもしれません」


 焦点の定まらない目が先程からひっきりなしに泳いでいたが、解毒出来るかも、という一言で、いつもの凶悪な眼光を宿す。


 ハルピリアを抱き抱えると、シールドで足場を造り出し 、駆ける。


「アーヤ!」


 矢が飛来しアーヤに刺さる直前で停止。


「アーヤ、一体何を?」


『ベルゼブブの剣』


 初めて見る魔法。黒の線が空中を走ったと思うと弓を持っていた男が黒い線に縛られて空中に投げ出される。


「!」


 影鬼がシールドを足場に空中に飛び上がり男の服を奪う。


「!!!」


 うなずくアーヤは一言も発することなく影鬼たちを従えて空を走っていった。


「え・・・?」


 弓を抱えていた男が捨てられ、地面に落ちる。喉を既にかみちぎられ、絶命している。


「・・・速すぎる」


 女が木陰に立ち、アーヤの向かった方を見ていた。


「・・・う、そ、でしょう・・・」


「さしぶりね、クロード」


「ラヴィアナ・・・生きていた、の、ですね・・・?」


 彼女はラヴィアナ。シェリスお嬢様のメイドの一人。


「自分が裏切った女が生きているからって驚きすぎでしょう?」


「・・・裏切り?」


「ええ、クロードあなたは私をおとりにして、迎えに来なかった」


 普通に歩いてくる。ラヴィアナ。あまりの自然体に反応が少しばかり遅れた。


 逆手に持ったナイフが振られる。


「っ!」


「もう、なんでよけるのかしら?」


「普通は避けますよ?」


「大丈夫、少し刺すだけだから大丈夫よ?」


「大丈夫じゃないですよ」


「ちょっと痺れるだけだから大丈夫よ?あの鳥の子が刺さったのは勇者であるアーヤ・コラプサーを弱体化させるためだから強力だったけど」


 剣を構え、魔法を展開。


『アイスバレット』


 氷弾を撒き散らし、距離を開ける。


「クロード!そっちへ行っては駄目よ!」


「!」


 ラヴィアナの声に反応したわけではないが、隠れいていた男が立ち上がり、斧を振るう。


「くっ」


 剣で防ぐが膂力が人間離れしてるのか、容易く吹き飛ばされる。


 木に激突する前にラヴィアナに抱きかかえられ、激突は免れるものの、ナイフに刺されそうになる。


「危ないわね」


「・・・このナイフはも危ないのでやめてもらえませんか?」


 ナイフを掴んでる手を左手で掴む。


「大丈夫、大丈夫」


「話通じないなっ!」


「ラヴィアナ、加勢はいるかい?」


「大丈夫よ隊長、私が説得するわ」


「これ、説得とか言いませんよね?」


 ナイフを刺そうと少しずつ押し込まれる。背後から抱きしめられる形で抑えられているため


「なんていう筋力してるんですか・・・」


「もう、乙女に筋肉だなんて・・・」


 ふざけているようだが、その膂力ははるかに上。人間とは思えない力が込められている。


「く、そ、・・・すいません、ラヴィアナ!」


「え?」


 頭を振るい、ラヴィアナの顔に後頭部をぶつける。


「んっ!」


 拘束が緩んだ隙をついて投げ飛ばす。


「いたた」


 完全に囲まれている状況に加え、ラヴィアナの異常な身体能力。詰み。という状況。アーヤが戻ってくるまで時間を稼ぐつもりでいたが、持たないだろう。


「・・・」


「一矢報いる、なんてのはやめておいた方がいい、時間の無駄だぞ?」


「何を根拠にそんなことが言えるのですか?」


「敵の数もわからず、既にラヴィアナ一人に圧倒されている。お前に打つ手があるとは思えんがな?」


『ブリザード』


 すべての魔力を込めて凍える風を吹かす。視界を白く染め上げ、そこだけが吹雪のように森を銀世界に変貌させてゆく。


「ふむ、先ほどよりも広範囲だが、一体何を・・・?」


「自分に出来る事を、するだけですよ」


「クロード、何をするつもりなのかしら?」


「一人でも多く道連れにしようと思いましてね?」


「クロード?」


「・・・あとは、任せるしかありませんねぇ・・・」


 接近する魔力を感じながら、意識を手放す。 

ラヴィアナ「次回!乙女をマッチョという奴は二つ折りにして梱包されろ」


クロード「・・・言わなくてよかった」

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