プロローグ
リコラ王国は50年前まで20年間
吸血鬼との共存をしていた
70年前、リコラ王国のヒューゴ国王はある問題に悩まされてきた。リコラ王国には吸血鬼が最近、隣国から来るようになりたくさんの国民が血を吸われ命を落としていた
国の軍隊や国民は全面戦争に乗り出そうとし
国の中は吸血鬼の恐怖や、死への怯えというマイナスの気持ちで包まれていった
そんな時ヒューゴ国王は吸血鬼達にある提案をする。
それが『共存』に対する提案だった
国民は毎週1日だけでいいからほんの少し血を採血する。その血を吸血鬼に与えてあげるかわりに吸血鬼は人間を襲わない。それが条件だった。吸血鬼達も人間達もこの提案法が上手くいくとは思ってもいなかった。
しかしヒューゴ国王が採血を自ら進んで行ったために国民も採血に足を進んでくれるようになった。そうして、吸血鬼達との共存に成功したのである。
しかしその20年後
それまで20年間人間と力を合わせて暮らしてきた吸血鬼達が急になんの前触れもなく
再び人間達を襲うようになった。
人間達は全面戦争に乗り出した
たくさんの血が流れた
人間達には特別な力もなにもなく、リコラ王国の軍隊はほぼ壊滅した。かろうじて生き残った人々は死の恐怖と絶望の中
この戦争の負けを確信していた
そんな時
不思議な力を持った2人の人間が
吸血鬼達を一瞬のうちに葬り去ったのだった
1人は紅蓮の炎を纏う剣で吸血鬼達を焼き払い、1人は己の手から不思議な氷の礫を出し
吸血鬼の中でも強かった五人の幹部達を凍らせたのだった。
そこから現在
人間達は平和に暮らしてきた。
リコラ王国の国民達は吸血鬼達の戦いから
誰もが戦えるようにと、『剣を習う』という教えが広まり、剣を扱える人々が増えていった。でも長い月日の経過により剣を娯楽として楽しむようになった
五人の吸血鬼が入った氷の結晶は五つに割られ、都から離れた比較的寒い5つの村に散らばった。吸血鬼が中にはいった氷の結晶は時が経っても溶けなかった。
溶けないはずだった。