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family  作者: 水色香水
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可愛い後輩

「君可愛いね!俺たちと一緒にお茶しない?」

私は今、とてもめんどくさい状況に巻き込まれている・・・・。

「いえ、結構です。人と待ち合わせしてるんで・・・。」

「えっ、じゃあその友達も一緒に誘おうぜ?」

なんで友達だって断定するのよ!

彼氏かもしれないじゃない!

・・・・。とは言っても、実際は彼氏なんていないし。 

「なぁ!それでいいじゃん、行こーぜ!!」

強い力で右腕を引っ張られる。

「離してください!!」

必死に抵抗する私の左腕を誰かが掴んできた。

・・・あぁ、もうダメかも・・・。

そう思いかけたとき、

「僕の彼女に何してるんですか?」

知らない男の子の声が聞こえた。

・・・えっ?彼女?

「あぁ?君この子の彼氏なの?」

挑発するような言い方で男の一人が近寄っていく。

「えぇ、もちろん。何してるんですか?

 早く車に乗ってください、緋奈乃ちゃん。」

左腕を強く引かれて、そちらに体が引き寄せられる。

・・・。誰だろう?こんな小さい男の子、知り合いにいない。

だいたい155cmぐらいだろうか。そのぐらいの身長で知っているのは、

女友達ぐらいだ。

「随分小さい彼氏だな~。そんな奴より、俺たちと楽しいとこ

行こうよ。」

私に向き直って男連中は再び誘ってくる。

・・・下心丸見えだっつーの!・・・

少しムカついた私は、そのまま知らない男の子に

ついていくことにした。

「うん、そうだね。早く遊びに行こうか。」

まだ何か言ってくる男らを無視して私は、

男の子の車に乗り込む。


****************************************************************


ドアを閉めると、すぐに車が発射した。

「いいんですか?友達と約束してたんじゃないんですか?」

男の子が私に顔だけ向けて聞いてくる。

「いいのよ。いまから待ち合わせ場所変更するから。それより、この車どこまで行くの?」

頬杖を付きながら男の子は答える。

「僕の家まで。」

「じゃあ、次の信号機で降ろして。」

男の子との距離をとりつつそう告げると、

運転手が「かしこまりました。」と答えた。

しばしの沈黙。最初に話しかけてきたのは、

向こうからだった。

「緋奈乃先輩、今日って生徒会ありましたか?」

いきなりの質問に驚いた。・・・なんで生徒会のことを・・・?

よく見ると、男の子の着ている制服は私の学校の制服。

「えっ・・・?いや、生徒会はないけど・・・。 君、メンバーにいたっけ?」

失礼なことを聞いているのはわかるが、それでもこの子が誰なのかが気になった。

指で数えられるほどしかいない、生徒会メンバーの中に

こんな子がいたなんて気づかなかった。

「そうですか、やっぱりないですよね。それよりひどいな~、先輩・・・。

 僕が誰かわかんないんですね?」

上目使いに見つめられても困る。

「ごめんなさい、わかんないです・・・。」

「そっか・・・。僕は・・・」

「お話し中、申し訳ありません。お嬢様、もうそろそろ次の信号機ですが

 いかがなさいますか?」

運転手の言葉で真相を遮られてしまった。でも、もう少しで謎が解けるんだ。

こんなところで降りたくない。

「じゃあ、この先の公園で降ろしてください。」

少しだけ距離を伸ばす。運転手はまた「かしこまりました。」と言って

車を走らせる。

「それで?あなたは?」

男の子に向き直って聞いてみる。

「ふふふ、そんなに知りたいんですか?じゃあ、教えるかわりにキモいとか言わないでくださいね?」

最初は、その子の言っている意味が分かんなかった。

「えぇっと・・・。あ~、あ~・・・。違うな・・。あ~、あ~。」

いきなり、男の子の声が高くなり女の子みたいな声になる。

「あ~、あ~。あっこれだ!この声だ!えぇっと、僕は・・・。」

「たっ・・・高岡 蓮・・・?」

「はい。そうですよ?な~んだ、先輩ちゃんとわかってたじゃないですかぁ。」

ニコニコしながら、蓮は私のことを見る。

「えっ・・・。うっ嘘だ・・・。だって、・・・えっ?」

混乱している私を蓮は面白そうに見ている。

「知らなかったんですか?会長が前に言ってたじゃないですか。

 蓮には男装する趣味があるって。」

記憶をたどれば、確かに会長である佐々木直哉からそのようなことを聞いた気がする・・・。

「でも、なんで・・・。」

問いかけた私に

「それはまた今度、ゆっくり話をしましょう。ほら、もう公園だ。友達と楽しんできてくださいね。」

蓮は車のドアを開け、私を降ろした。

「尚、このことは生徒会メンバーだけの秘密ってことで。

 さよなら」

小悪魔みたいな笑顔を残して、お礼を言う間もなく行ってしまった。

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