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どうしようもない心の話  作者: 奈宮伊呂波


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1/1

SNS

SNSは人類には早すぎた。

俺はその意見に激しく同意する。

人類にというか、俺にという方が正しい。他の人にはどうかはわからない。


ここでのSNSはPS APPとDiscordのことを指している。Twitterは消した。

2つのアプリの共通点として、フレンドのオンライン状態がわかるのだ。そのことを念頭において、読んでみて欲しい。


俺に早すぎたというのは、理由がある。

それは、人との別れをハッキリと突きつけられるからだ。

ブロックだったり、フォロー解除だったり、以前は絡んでいたのにふと気がついたら絡みがなくなっていたり。

どれもこれも、別れだ。そして別れは辛い。

そもそもなぜ人は別れるのだろうか。

原因はその人と、場合によって多岐に渡る。

喧嘩。

思ってた人と違った。

性格が変わってつまらなくなった。

何かしらの理由で話をしづらくなった。

色々あるだろう。

その本質は、その人にとっての「理想の俺」になれなかったからだ。

ある人が、俺のことを「すごくいい人、面白い人」と言ってくれたことがある。当時はよく一緒にゲームをしていた。日が経って、だんだん誘われる頻度も誘う頻度も減ってきた。久しぶりに誘ってみても、以前よりも会話が弾まない。

たぶん、「理想の俺」ではなくなったのだ。その人にとって俺が「すごくいい人」でもなくなったし、「面白い人」でもなくなったのだ。

つまり、表面上の俺ではなく、俺の底を見て、「違う」と思われたのだろう。まあ、そうだろう。俺自身、俺はいい人でもないし、面白い人でもないと思っている。

俺の人間としての底なんて、浅い。浅すぎる。表面の皮をめくったら、もうそこは底だ。

明確な別れではない。その人とは今でも連絡を取ろうと思えばいつでも取れる。

その点で言うと、以前と何も変わらない。にも関わらず、連絡頻度は減った。遊ぶ回数も減った。

これを別れと言わずなんと言うのだろう。


別れは辛い。

俺の方からも別れたことがある。ブロックやフォロー解除だ。

面白くないやつ、合わないと思ったやつ。

俺はいとも簡単にそんなヤツらと別れた。非情だ。自分がされて嫌なことを、相手にもしているのだ。だから俺は酷いやつだ。

でもそれは正しい行為だろうか。

俺は、どんな人間も尊重されるべきだと思う。たとえ、サイコパスの殺人鬼であっても。

まあ、そんなのは綺麗事で、実際にサイコパスの殺人鬼と出会ったら俺は逃げ出すだろう。尊重なんてとてもできない。

極端な例はとりあえず置いておいて。

ゲームやSNSで繋がった人を簡単に切り離すのはやはり良くないと思う。

実際に顔を合わして話した訳でもない、ちょっと通話して、ゲームをした程度でその人の何がわかるというのだろうか。

それなのに、俺は今まで何人も、何十人も、下手したら百人以上切り離した。


ついこの間、1ヶ月ほどゲームをしていた女性をブロックした。

二人で話しながらゲームをする仲だった。けっこう仲が良かったと思っていた。そう、思っていた。

そして、向こうも俺も恋人がいなかった。しかも住んでる地域も近いときた。

俺は調子に乗って、遊びに誘った。馬鹿なことをした。今でも後悔している。1ヶ月だぞ。何を期待していたのか。

その子は一度はオーケーしてくれた。だが翌日になって、考えさせて欲しいと申し出たのだ。

俺はそれを受け入れた。またゲームする時に話そうと向こうから言った。

俺は3日か4日待った。向こうから連絡は来ない。そして、ゲームをすればその子がログインしていることが分かるのだ。その子が誰かとゲームしていることが分かるのだ。

俺への返事はどうしたのだろう。なぜあの子は返事をくれないのだろう。

俺は察した。嫌だったのだ。俺と遊びになんて嫌だったのだ。リアルで会うなんて嫌だったのだ。

そして俺は彼女をプロックした。トークルームを消し去った。彼女もいたグループからすべて抜けた。

そうして俺は逃げ出した。

逃げたのだ。

後になって、俺は考えた。

どうして俺は彼女に直接聞かなかったのだろう。会うって言ってたヤツ、どうする?︎︎と。

どうして俺は彼女を誘わなかったのだろう。ゲームやろうぜ、と。

俺と会うのが良いか、悪いか。今後もゲームに誘ってもいいのか。

ハッキリさせればよかったのだ。

そうしなかったのはなぜだろうか。

すぐに俺は結論に至った。

傷つきたくなかったのだ。3、4日返事が無かったから、誰だって答えは分かるだろう。

でも俺はそれを直接彼女から聞くべきだった。俺にとって不都合な答えを受け入れるべきだったのだ。それをせずに、俺は逃げ出した。

彼女は以前、別の男から告白まがいのことをされて、断って気まずくなったと言っていた。それで、グループから抜けたのだとも言っていた。

俺の申し入れを断ったことで、彼女が今のグループから抜けるくらいなら、俺が抜けるべきだと思った。だから、すべて消したのだ。

そんなのは言い訳でしかなかった。

俺は本当にずるくて、自分が可愛くて可愛くて仕方がなくて、頭が悪くて、他人の気持ちを考えられないで、嫉妬深くて、メンヘラで、どうしようもない人間だ。

今でも、彼女に連絡しようとすれば、できる。

でもするべきじゃないのだろう。そんな資格はない。自分から逃げて、なんの言葉を告げずに一方的に関係を断ち切るようなやつには。


プレステのフレンドは今でも何人もいる。discordでも繋がっている人もいる。

どちらのアプリも、フレンドのログイン情報が分かるのだ。

俺と遊んでくれない、話してくれないフレンドの。

そんな彼らを見て思うのだ。

俺はもう彼らにとって「理想の俺」では無いのだなと。それが俺にはとても苦しい。ゲームする時、誰を誘うか考えた時、彼らには俺という選択肢があるはずなのに、俺は選ばれない。

俺は、彼らにとって誘う価値がないのだ。まあ、それは仕方のないことなのかもしれない。だって、俺だってそうしているのだ。お互い様だ。深淵をのぞく時と言うやつだ。違うか。

いっそ、全員消し去りたいとも思う。今、仲がいい、仲がいいと思っている人だけを残して、後は全員消す。そうすれば、苦しみは生まれない。

でも、そうすると彼らとは二度と遊ぶことはないだろう。話すことはないだろう。そう思うと胸が苦しくなるのだ。

消すことはできない。受け入れるしかないのだ。俺が選ばれないという現実を。傷を作り続けるしかないのだ。俺はつまらないやつだからと、自分で自分の胸を突き刺して落ち着くのだ。

そんな苦しみをSNSは俺に作り出してしまう。

だから、俺にはSNSは早すぎたのだ。

ほんとうに、メンヘラでキモイよ。

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